富士見町漆窪

富士見町漆窪（ふじみまちうるくぼ）

富士見町漆窪は、群馬県前橋市に属する地名です。かつては勢多郡富士見村の大字として存在していましたが、周辺自治体との合併を経て現在の前橋市の一部となりました。2013年時点での面積は0.82平方キロメートルを有し、郵便番号は371-0113となっています。

地理

この地域は、活火山である赤城山の南西方向に広がる裾野部に位置しています。地形的にはゆるやかな傾斜地であり、水系が重要な要素となっています。地域の中央部には、西から東へと流れる群馬用水が通っており、農業用水などとして利用されています。また、地域の東端には細ヶ沢川が流れ、こちらは東から南へと向きを変えながら流下しています。これらの水流が地域の自然環境や景観を形作っています。

歴史

漆窪という地名は古くから存在しており、江戸時代頃には既に確立されていたと考えられています。歴史的な領有の変遷を見ると、嘉吉年間（1441年～1444年）頃から永禄年間（1558年～1570年）にかけては、この地は長尾氏の支配下にありました。その後、戦国時代末期の天正18年（1590年）から江戸時代後期の嘉永12年（1859年）までの長い期間、平岩主計頭親吉（ひらいわ かずえのかみ ちかよし）の所領となりました。嘉永12年以降は、江戸幕府による廃藩置県までの期間、前橋藩の領地として統治されていました。

行政区画の変遷

近代に入り、日本における行政区画は大きく再編されました。1889年（明治22年）の市町村制施行に伴い、従来の漆窪村は近隣の13村と合併し、新たに発足した南勢多郡富士見村の一部となりました。この時、漆窪は「大字漆窪」として富士見村内の地域区分となりました。1896年（明治29年）には、群馬県内の郡が再編され、東群馬郡と南勢多郡が統合されて勢多郡が成立したため、漆窪は「勢多郡富士見村大字漆窪」と所属郡が変更されました。そして、平成の大合併の流れの中で、2009年（平成21年）に富士見村が前橋市に編入合併されることとなりました。この合併により、旧富士見村は前橋市の「富士見町」となり、それに続いて旧大字名が付加される形で、現在の「群馬県前橋市富士見町漆窪」という住所表記となりました。

近年の動向

2017年（平成29年）5月12日には、富士見町漆窪を含む前橋市赤城地域全体が、イタリアを拠点とする国際的な非営利団体「チッタスロー国際連盟」に加盟しました。これは、「ゆったりとした時間の流れ」や「地域固有の食文化・伝統文化」を大切にするスローシティ運動の一環であり、地域の質の向上を目指す取り組みとして注目されています。

交通

地域内には鉄道駅が存在しません。公共交通機関としては、関越交通によって運行されているデマンドバス方式の「るんるんバス」が利用可能です。これは利用者の予約に応じて運行される形態のバスサービスです。道路に関しては、富士見町漆窪の町域内を通過する国道や主要県道はありませんが、近隣には国道353号線が通っており、周辺地域や他の主要幹線道路へのアクセスに利用されています。

主な施設

地域内の主要な施設としては、住民の集会や活動の拠点となる漆窪公民館があります。また、仏教美術資料を展示する仏教美術資料展示館や、地域の信仰を集める長桂寺といった文化施設や寺院も存在しています。

避難所

災害発生時において、富士見町漆窪が避難対象区域に指定された場合の指定避難所は、地域内ではなく、隣接する富士見町田島に位置する前橋市立富士見中学校となっています。災害時には、定められた避難計画に基づき、この避難所へ移動することになります。

世帯数と人口、小・中学校の学区

2017年（平成29年）8月31日現在の世帯数および人口に関する統計データが存在します。また、地域にお住まいのお子様が義務教育を受けるための市立小・中学校の学区が定められており、指定された学校へ通学することになります。

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