富山地方鉄道10020形電車

富山地方鉄道10020形電車

富山地方鉄道10020形電車（とやまちほうてつどう10020がたでんしゃ）は、1961年に富山地方鉄道によって導入された電車の一形式です。この車両は、18メートル長の2扉車として日本車輌製造によって製造され、各車両に75kwの主電動機が搭載されています。特に、この形式は地鉄初のユニット方式を採用したものであり、その技術的な特徴が注目されます。

構造

車体

10020形の車体は日本車輌標準タイプで、同系車として1962年に登場した14720形があります。14760形も基本デザインを踏襲しており、これらの形式は互いに多くの共通点を持っています。付随車はサハ220形ですが、第1編成のサハ221は全長17.3mと短く、残りの編成は全長18.6mのサハ223とサハ224を備えています。

外観のデザインには富山県の県鳥である雷鳥からインスパイアされたクリームとグレーの塗装にワインレッドのラインがあしらわれています。さらに、第1・第2編成は新たな塗装（黄色と緑色のツートンカラー）に改装されましたが、第3編成は原色のままで残りました。

内装

内装はオール転換クロスシートを採用しており、第1編成の車端部にはロングシートが配置されています。これにより、乗客は快適な移動が可能です。

台車

最初に装備された台車はNA-303（第1編成）でしたが、後にFS-510に交換されました。第2・第3編成にはNA-313が初めて装着された後、同様にFS-510に変更されました。

沿革

10020形は1961年に第1編成が登場し、サハ220形の221を挟む形で運行を開始しました。1962年には14720形が追加され、形式名の末尾が共通していることから同じ系列であることが窺えます。1964年には第2・第3編成が登場しましたが、1969年にはサハ220形を外して2両固定束の運行が始まりました。1995年にはクハ170形から分割され、クハ173・174形と改称されました。

冷房化は1993年までに全車両に実施されたものの、冷却能力の不足から夏場にはあまり使用されないことがありました。加えて、2007年時点でのこの系列はワンマン化改造が行われず、朝ラッシュ時に限って運用されていました。

老朽化が進む中、2005年には第1編成、2006年には第2編成が除籍され、2013年4月には第3編成に連結されていたクハ174が休車となりました。その後、クハ175と組む編成に変更され、最終的には2019年9月29日にラストランイベントを行った後、2020年1月に解体のために搬出されました。

その他の特徴

当初は前照灯が窓上中央・左右に設置されていましたが、後にシールドビーム2灯に改造されました。また、台車交換時にスカートが取り付けられたものの、2000年頃にそのスカートは取り外されました。

2007年6月26日には、同社の車両を舞台にした特別な結婚披露宴が行われ、特製ヘッドマークを掲げた列車が運行されました。これは、富山地方鉄道のユニークな取り組みの一部です。

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