富山地方鉄道9000形電車

富山地方鉄道9000形電車について

富山地方鉄道9000形電車は、富山地方鉄道が運行する路面電車車両（LRV：Light Rail Vehicle）であり、富山軌道線と富山港線で利用されています。この車両は、富山市が進める市内電車環状線化事業の一環として導入され、所有は富山市が行っています。2009年の12月23日に環状線（富山都心線）が開業し、その際に9000形の営業運転が始まりました。

概要と設計

9000形電車は新潟トランシスによって製造された2車体連節の低床式路面電車です。この車両は、ドイツのメーカーであるアドトランツが製造したブレーメン形の超低床電車をライセンス導入したものです。導入された編成は3編成で、全長18.4メートル、編成重量は25トンに及びます。

この9000形は、同じく富山市を走行するTLR0600形と設計がほぼ共通ですが、塗装が異なります。これは、将来的に直通運転を見越した設計となっています。また、前面と側面にはフルカラーLEDが取り付けられており、日本の路面電車としては初の試みです。車体のカラーについて、デ9001は白、デ9002は銀、デ9003は黒と、それぞれモノトーンの配色が施されています。

内装と設備

内装はシンプルでありながら温かみのあるデザインが施されています。壁面はホワイト、シートモケットはブラックとライトブラウンを基調とし、タイヤハウス部分にはライトブラウンが使用されています。また、運転台の背面には液晶ビジョンが設置され、停留所案内や「見えるラジオ」が放送される仕組みとなっています。

さらに、運賃箱は2010年3月14日から運用されているICカード「ecomyca（えこまいか）」にも対応しています。事前に南富山車両基地に納入が行われ、試運転が行われた結果、2009年の12月に営業運転が開始されることとなります。

愛称と運行状況

9000形電車の愛称は一般公募により「CENTRAM（セントラム）」に決定されました。これ以外にも、富山地方鉄道はこれとは別に2010年4月よりデ7000形の代替として新しい形式・T100形（愛称サントラム）を導入しています。

9000形は営業運転開始以来、環状線に特化した運用が行われていましたが、2020年3月21日以降は富山大学前方面や富山港線を含めた全ての系統で、0600形とT100形と共通で運行されるようになりました。これにはATS（自動列車停止装置）が設置されていることが影響しています。結果として、9000形以外にも0600形及びT100形も定期的に富山都心線区間に入線するようになりました。

このように、9000形電車は富山市の公共交通の一翼を担い、多くの市民や観光客に利用されている重要な車両です。

もう一度検索