富山市会社役員夫婦放火殺人事件

富山市会社役員夫婦放火殺人事件

富山市で発生した「会社役員夫婦放火殺人事件」は、2010年4月20日に富山県富山市で起きました。この事件は、現住建造物等放火と殺人が含まれ、富山県警察は夫婦殺人・放火事件として捜査を行い、特に重大なケースとして注目されました。事件の詳細やその後の捜査過程について紹介します。

概要

事件は、2010年4月20日12時25分に、富山市大泉1520番地1の3階建てビルの2階で発生しました。この時、119番通報により警察が駆けつけ、火災が発生していることが確認されました。鎮火後の調査により、焼け跡から79歳の男性Aと彼の74歳の妻Bの遺体が見つかりました。警察は、現場の状況から殺人事件と特定し、捜査本部を立ち上げました。

AとBの夫婦は数年前からこのビルに住んでおり、Aは不動産業や貸金業を経営していました。Bの遺体には首を絞められた痕が残り、Aも窒息死であることが分かりました。死亡時刻は正午頃と推測され、首を絞められた後で放火されたとみられています。事件は、富山県内で初めて私的懸賞金が支払われる事件にも指定され、情報提供が呼びかけられました。

被疑者の逮捕

事件後の2010年6月には、週刊文春編集部に犯行声明文を記録したCD-Rと手書きの現場見取り図が送付されました。富山県警は、この証拠をもとに捜査を進め、2012年8月1日にCD-Rを押収しました。その中には、動機や困窮した生活状況についての記述があり、発信者の情報も特定されました。

このCD-Rの内容から、被害者の知人でもある富山県警の警部補Xが容疑者として浮上しました。2012年10月31日に、彼は守秘義務違反で逮捕され、その後、2012年12月22日に本事件の殺人・放火・死体損壊の容疑で再逮捕されました。当初、Xは容疑を認めていましたが、証拠と供述の不一致が多く見受けられました。

不起訴処分

Xは、その後、起訴の可否を検討されましたが、2013年1月11日から鑑定留置され、同年7月に「嫌疑不十分」として不起訴処分となりました。検察は疑問点が多かったことから、Xを起訴するに至りませんでした。Xの供述には数ヶ月にわたる矛盾もあり、事件の真相は依然として不明です。

Xはその後、別の捜査情報漏洩事件で有罪判決を受け、懲戒免職となりましたが、事件に関与したのかどうかは不明なままでした。2013年には、富山県警はこの事件を捜査特別報奨金事件として指定し、有力な情報提供者に懸賞金を支払うことを決定しました。

現状と遺族の感情

本事件は未解決のままであり、被害者の遺族は警察の捜査への不信感を抱いています。事件の詳細が不明な点が多く、依然として情報提供を呼びかけています。富山検察審査会による審査でも、Xが事件に何らかの形で関与していた可能性が示唆されましたが、証拠不十分で起訴には至らず、多くの疑念が残っています。

このように、富山市における夫婦放火殺人事件は、未解決の事件として多数の疑問を残したまま、事件から数年が経過してもなお解決を待たれています。

もう一度検索