富山県立高岡工芸高等学校

富山県立高岡工芸高等学校

富山県立高岡工芸高等学校は、富山県高岡市中川に所在する公立の工業・工芸高等学校です。通称「工芸」として親しまれ、1894年（明治27年）に富山県工芸学校として開校して以来、120年以上の歴史を誇ります。同校は、工業および工芸分野における専門的な知識と技術を教育するとともに、附属施設として青井記念館美術館を擁し、美術教育にも力を入れています。

沿革

同校の歴史は、1894年10月22日に富山県立工芸学校の設置が告示されたことに始まります。同年11月20日には、高岡市桜馬場にあった高岡商品陳列所を仮校舎として開校し、木材彫刻、金属彫刻、鋳銅、髹漆の4科を本科として設置しました。その後、学科の改編や校舎の移転、名称変更などを経て、現在の富山県立高岡工芸高等学校に至ります。主な沿革は以下の通りです。

1894年：富山県工芸学校として開校
1901年：富山県立工芸学校に改称
1941年：富山県立高岡工芸学校に改称
1948年：学制改革により富山県立高岡工芸高等学校として開校
1950年：富山県立高岡中部高等学校から分離し、富山県立高岡工芸高等学校として独立
2010年：富山県立二上工業高等学校と統合し、新「富山県立高岡工芸高等学校」が開校

設置学科

同校には、以下の7つの学科が設置されています。

機械科
電子機械科
電気科
建築科
土木環境科
工芸科
デザイン・絵画科

これらの学科では、各分野における専門知識や技術を学ぶとともに、創造性や表現力を磨くための教育が行われています。

青井記念館美術館

同校の附属施設である青井記念館美術館は、全国的にも珍しい高等学校附属の美術館です。1994年（平成6年）に創立100周年記念事業の一環として設立され、旧青井記念館を移転新築したものです。同館には、創校当初の教材や教職員の作品、生徒の卒業制作など、多岐にわたる美術品が収蔵されており、常設展や企画展を通じて一般公開されています。また、同窓生ギャラリーとしての個展も開催され、地域文化の発展にも貢献しています。

学校行事

同校では、毎年10月下旬に「尚美展」が開催されます。これは、各学科の授業で制作した課題作品の展示や、部活動の成果発表などが行われる学校祭であり、地域住民にとっても楽しみなイベントとなっています。また、ワークショップを伴う展示も多く、生徒たちの創造的な活動が披露されます。

部活動

同校には、運動部と文化部合わせて20を超える部活動があり、生徒たちは学業と両立しながら、活発な活動を展開しています。

運動部
陸上競技、野球、柔道、剣道、バレーボール、バスケットボール、サッカー、ソフトテニス、卓球、バドミントン、弓道、ハンドボール

文化部
放送、吹奏楽、美術、写真、陶芸、クラフト、茶道、演劇、コンピュータ研究、機械工学、電子機械工学、電気工学、建築工学、土木環境工学、デザイン研究

アクセス

JR氷見線越中中川駅より徒歩5分
JR高岡駅より徒歩約25分
富山地方鉄道「中川」停留所より徒歩2分

主な卒業生

同校は、多くの著名な卒業生を輩出しており、各界で活躍しています。

青井忠治（実業家、丸井の創業者）
市山貴章（俳優）
郷倉千靱（日本画家、日本芸術院会員）
藤子・F・不二雄（漫画家、「ドラえもん」の作者）
松原秀典（アニメーター）
山崎覚太郎（漆芸家、日本芸術院会員）

その他多数


富山県立高岡工芸高等学校は、長い歴史と伝統の中で、常に時代の変化に対応しながら、工業・工芸分野における人材育成に貢献しています。

もう一度検索