富山県美術館

富山県美術館：アートとデザインの融合空間

富山県富山市木場町に位置する富山県美術館（略称：TAD）は、近現代美術とデザインを融合させた展示が特徴の公立美術館です。2017年の開館以来、国内外から多くの来館者を集め、地域文化の活性化に貢献しています。

充実したコレクションと展示

美術館は約16,000点もの作品を収蔵しており、その価値はなんと約270億円にも上ります。

主な収蔵作品:

絵画・版画: パブロ・ピカソ、アンリ・マティス、ジョアン・ミロ、マルセル・デュシャンなど巨匠たちの作品に加え、シュルレアリスム作品も数多く収蔵されています。
彫刻・立体造形: アントワーヌ・ペヴスナー、草間彌生、三沢厚彦など現代彫刻家の作品も充実しており、館内だけでなく、屋外広場にも作品が展示されています。
* デザイン: ポスター約13,000枚、椅子約230脚など、優れたデザイン作品のコレクションは必見です。永井一正、亀倉雄策、田中一光といった巨匠たちのポスターも数多く展示されています。

これらの作品は、常設展示室と企画展示室で、テーマごとに展示されています。常設展示室では、富山県立近代美術館から引き継いだコレクションを中心に、近現代美術の流れをたどることができます。企画展示室では、時代やテーマを問わず、多彩な企画展が開催されています。

美術館の建築とデザイン

富山県美術館の建物は、そのデザイン性も魅力の一つです。鉄骨造り一部鉄骨鉄筋コンクリート造りの地上3階建てで、船の舳先を思わせるような独特な形状をしています。外観には富山の主要産業であるアルミをふんだんに使用し、正面のガラス張りが開放感を生み出しています。

館内も木材を多く使用し、温かみのある空間が演出されています。特に、各展示室を繋ぐ中央廊下は、天井から壁、床まで木材で囲まれた、落ち着いた雰囲気の空間となっています。

屋上には「オノマトペの屋上」と呼ばれる、子供たちが遊べる屋上庭園があります。８種類の遊具は、かつてこの場所に存在した「ふわふわドーム」を思い出させる、子供たちへの温かい配慮から生まれたものです。

充実した施設とイベント

美術館には、展示室以外にも、カフェ、レストラン、ミュージアムショップ、アトリエ、キッズルーム、図書コーナーなど、様々な施設が備わっています。

アトリエでは、作家の公開制作やワークショップなどが開催され、来館者とアーティストが交流できる場となっています。また、美術館では、定期的に様々なイベントも開催されています。トークイベントやコンサート、ワークショップなど、年齢層を問わず楽しめるイベントが企画されています。

さらに、美術館周辺の環境も魅力的です。富岩運河環水公園に隣接しており、いたち川沿いのプロムナード「千年の桜並木」では、アートワゴンによる展示やワークショップなども行われています。

アクセス

美術館へのアクセスは良好です。JR富山駅から徒歩でもアクセス可能で、車でのアクセスも便利です。また、富山地方鉄道のバスも利用できます。

富山県美術館：未来への展望

富山県美術館は、単なる美術品の展示施設にとどまらず、地域社会との交流や文化創造の拠点として、今後も更なる発展が期待されます。アートとデザイン、そして地域社会を繋ぐハブとして、その役割を担い続けることでしょう。

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