富樫政親

富樫政親の生涯と功績

富樫政親（とがし まさちか）は、室町時代後期に活躍した武将であり、加賀国を治めた守護大名として名を馳せました。彼は富樫氏の21代当主であり、父である富樫成春から家督を引き継ぎました。幕府の8代将軍・足利義政から名を賜ることで、政親と名乗りました。

加賀国守護への道程

政親が初めて加賀北半国の守護に任命されたのは長禄2年（1458年）のことでした。この任命を受けて、彼は父の時代に失われた加賀北部を取り戻すため、家臣団の協力を得て奮闘を始めました。戦場に立つ彼は、執念深く、決して後退することなく、激しい戦を繰り広げました。

応仁の乱と兄弟の争い

応仁元年（1467年）に突発した応仁の乱では、政親は細川勝元方の東軍に組織されました。しかし、弟の幸千代は敵となる西軍に味方し、兄弟間の対立が生まれました。この内部抗争では、家督を巡る争いが激化し、家族の絆が崩れかける危機に見舞われました。

加賀追放からの逆襲

文明5年（1473年）には、幸千代が真宗高田派の門徒や他の武士団の支持を受け政親を破る事態となり、彼は加賀から追放されました。しかし、政親は浄土真宗本願寺派の門徒などの支援を受け、再度立ち上がることを決意します。彼は加賀の地での支持を得て、幸千代を追い出し、再び当主として戻ることに成功しました。

本願寺門徒との関係

加賀を取り戻した政親は、浄土真宗本願寺派の力が大きいことを痛感し、その影響力を利用して国人を統率しようとしました。これにより、本願寺門徒や他の国人との結びつきが強まります。そして、9代将軍・足利義尚による鈎の陣（六角高頼討伐）には従軍していたものの、急遽帰国しなければならない事態に直面しました。

最期の選択

長享2年（1488年）6月9日、政親は石川郡高尾城を攻められ、自らの運命が決する瞬間を迎えました。彼は子の又次郎（富樫家延）と共に自害を選び、加賀の未来が一変する大きな事件となりました。この出来事は加賀一向一揆と呼ばれ、政親の死後、家督は大叔父・泰高に引き継がれましたが、加賀の実質的な支配権を握ることはできませんでした。

このように、富樫政親は波乱に満ちた生涯を送りながらも、加賀国の歴史に深い足跡を残しました。その後、天正8年（1580年）までの90年間、加賀は百姓の持つ国と称される時代を迎えたのです。彼の生涯は、時代の変遷とともに人々の記憶に刻まれています。

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