富田庸

富田庸（とみた よう）は、1961年12月17日生まれの日本の音楽学者であり、バッハ研究者として国際的に知られています。彼は現在、ベルファストのクイーンズ大学音楽学部（School of Creative Arts）で教授を務めています。

福島県出身の富田庸は、福島県立安積高等学校を経て、1984年3月に武蔵野音楽大学音楽学部ピアノ科を卒業しました。その後、研究の道を志し、1990年に英国リーズ大学で「平均律クラヴィーア曲集第2巻」に関する論文を提出し、博士号を取得しました。1995年からは英国、北アイルランドに在住し、研究活動を続けています。

富田庸の研究は、特にヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品、中でも「平均律クラヴィーア曲集」に焦点を当てています。彼はヘンレ版の「平均律クラヴィーア曲集第2巻」の校訂者としても知られており、この校訂版はバッハの音楽を演奏、研究する上で重要な資料となっています。

日本語による著書は限られており、バッハ全集第12巻（東京・小学館）に収録された「『ロンドン自筆譜』と《平均律クラヴィーア曲集》」（1998年）や、チェンバロ奏者である鈴木雅明のCDライナーノートなどが挙げられます。しかし、英語とドイツ語による論文は多数発表しており、国際的な学会や研究誌で高く評価されています。

富田庸の特筆すべき貢献の一つに、ウェブサイト「バッハ文献集」の運営があります。このサイトは、バッハに関連する書籍や論文のデータベースを公開しており、世界中の研究者が自由にアクセスできます。バッハ研究者にとって貴重な情報源となっており、バッハ研究の発展に大きく寄与しています。

富田庸の研究業績は、バッハの音楽に対する深い理解と、それを広めるための努力の賜物と言えるでしょう。彼の活動は、バッハの音楽をより深く理解し、次世代に伝える上で重要な役割を果たしています。

外部リンク:
富田庸のパーソナルウェブページ
バッハ文献集
* Queen's University Belfast, School of Creative Arts

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