富田町 (前橋市)

富田町は、群馬県前橋市に属する地域の一つです。郵便番号は379-2161が割り当てられています。

地理

富田町は、雄大な赤城山の南麓、その裾野にあたる場所に位置しています。町の東側を流れる荒砥川の右岸に面しており、豊かな自然に囲まれています。町の西部は赤城山から続く緩やかな傾斜地となっており、地形的な特徴として、ほぼ中央部には大泉坊川によって形成された放射状の谷が見られます。これは赤城山の噴火活動やその後の河川浸食によって形作られた、この地域特有の地形です。

歴史

「富田町」という地名は、江戸時代頃には既に存在していたとされます。この地域の領有は時代によって複雑に変遷しました。当初は大胡城主であった牧野氏の領地の一部でしたが、江戸時代に入り、元和2年（1616年）には前橋藩の領地となりました。その後、明和5年（1768年）からは幕府領の代官である前沢藤十郎の支配地となりましたが、約17年後の天明5年（1785年）からは再び前橋藩の管轄に戻っています。このように、いくつかの領主のもとを転々としながらも、富田という地名は長く受け継がれてきました。

沿革

近代以降の富田町の行政区分は、度重なる市町村合併を経て現在に至ります。

1889年（明治22年）4月1日、町村制が施行された際、それまでの富田村は荒子村、ニ之宮村、今井村、荒口村、泉沢村、下大屋村、飯土井村、新井村、西大室村、東大室村といった近隣の10村と合併し、南勢多郡荒砥村の一部となりました。

1896年（明治29年）4月1日には、郡制の施行に伴い、南勢多郡と東群馬郡が統合されて勢多郡が成立しました。これにより、富田町は勢多郡荒砥村に属することになります。

昭和の合併期には、1957年（昭和32年）2月20日に木瀬村と合併し、新たに城南村が誕生しました。富田は城南村の一部となります。

そして、1967年（昭和42年）5月1日、城南村が前橋市に編入されました。この編入によって、現在の前橋市富田町という地名が正式に誕生しました。

比較的新しい動きとしては、交通インフラの整備が進んだことが挙げられます。2008年（平成20年）6月22日には、国道17号のバイパスである上武道路が開通しました。特に国道50号と群馬県道3号前橋大間々桐生線の間が開通したことにより、富田町内に初めて国道が通ることとなり、地域の交通利便性が向上しました。

交通

町内には鉄道駅はありませんが、バス路線が運行されており、公共交通機関として利用されています。道路網としては、国道17号の上武道路が町内を縦断しており、広域交通の基盤となっています。また、主要地方道である群馬県道40号藤岡大胡線や、群馬県道76号前橋西久保線といった県道も町内を通っており、周辺地域とのアクセスを支えています。

施設

富田町内には、地域住民の生活を支える施設や産業施設が見られます。例えば、JA前橋市本所生活部産直ゆうあい館などが立地しており、地元の農産物などを扱う拠点となっています。

もう一度検索