寒秋

寒秋とは？

寒秋（かんしゅう）とは、1991年から2020年までの平均気温を基準に、それよりも気温の低い秋を指します。気象庁が発表する3階級表現（かなり高い、高い、平年並み、低い、かなり低い）において、9月～11月の平均気温が「低い」と判定された場合、その年は寒秋と分類されます。近年では、特に11月を中心に気温が異常に低くなった2001年、2002年、2014年、2015年、2017年などが全国的に寒秋となりました。

過去の主な寒秋

日本の戦後においては、いくつかの年で顕著な寒秋が観測されています。特に気温が低かった年としては、以下の例が挙げられます。

1899年: 全国平均気温が-2.17℃と観測史上最低を記録しました。
1912年: 全国平均気温が-2.04℃と、1899年に次いで低い気温となりました。
1976年: 戦後最大の寒秋とされ、全国的に平年より1℃以上気温が低くなりました。9月からの低温が顕著で、冬の訪れも早まりました。
1981年: 1976年に次いで戦後2番目に寒い秋となり、特に11月の低温が顕著で、冬の訪れが早まりました。
* その他: これ以外にも、1945年、1947年、1949年、1951年、1953年、1954年、1955年、1956年、1958年、1962年、1963年、1965年、1967年、1968年、1973年、1974年、1978年、1980年、1983年、1984年、1986年、1988年、1993年、1997年、2001年、2002年、2014年、2015年、2017年など、多くの年で9～11月の平均気温が平年を下回っており、地域によっては顕著な低温が観測されました。これらの年は、秋本番となる前に気温が低下し、冬の訪れが早まる傾向が見られました。また、地域差も大きく、特定の地域のみで寒秋となるケースもありました。

寒秋の要因

寒秋の原因は様々ですが、気圧配置や海洋状況など、大気の大規模な循環に関連していると考えられています。例えば、シベリアからの寒気の影響が強かったり、太平洋高気圧の勢力が弱かったりすることで、寒秋となる可能性があります。また、エルニーニョ現象やラニーニャ現象などの気候変動も影響していると考えられています。しかし、特定の要因を断定することは難しく、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられます。

寒秋と私たちの生活

寒秋は農業や日常生活に影響を与える可能性があります。例えば、農作物の生育が遅れる、あるいは収穫量が減少する可能性があります。また、寒さ対策が必要となる期間が長くなり、エネルギー消費量が増加する可能性もあります。近年は地球温暖化の影響もあり、寒秋の頻度は減少傾向にあると言われています。しかし、依然として寒秋は発生しており、その影響を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

まとめ

寒秋は、平年より気温の低い秋を指し、気象庁の3階級表現で判断されます。過去には多くの寒秋が観測されており、その原因は気圧配置や海洋状況など、大気の大規模な循環に関連していると考えられます。寒秋は農業や日常生活に影響を与える可能性があるため、その動向を注視していくことが必要です。

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