寝台特急「ゆうづる」の女

寝台特急「ゆうづる」の女

西村京太郎の推理小説『寝台特急「ゆうづる」の女』は、1988年に扶桑社から刊行された作品。

あらすじ

南青山でイタリアンレストランを経営する新井修は、趣味のカメラで青函連絡船の写真を撮るため、上野駅から寝台特急「ゆうづる」に乗ろうとする。しかし、希望する一人用個室は満室で困っていたところ、謎の美女・笠井麻美に出会う。彼女も同じように個室を探しており、新井に二人用個室を一緒に借りないかと提案する。美人に弱い新井は彼女の誘いに乗り、同室で一夜を過ごすことになる。

翌朝、新井が目を覚ますと、麻美は背中にナイフが刺さった状態で死んでいた。自分が疑われることを恐れた新井は、次の駅で下車し逃亡する。しかし、翌日の新聞で、殺されていた女性が笠井麻美ではなく、以前新井が別れる際に慰謝料を請求された浜野みどりだと報道される。状況は新井にとってますます不利になり、彼は自分が何者かに陥れられたことに気づく。

さらに、新井の共同経営者である岡田孝男が豊島園で殺され、その場に謎の女性がいたことが判明する。岡田には3億円の保険金がかけられており、受取人は新井になっていた。新井への容疑は深まるばかり。彼はなぜ自分がこんな目に遭うのか、笠井麻美とは一体何者なのか、真相を究明しようとする。

登場人物

十津川省三: 警視庁の警部。事件の捜査を担当する。
亀井定雄: 十津川の部下である刑事。
新井修: 南青山でイタリアンレストランを経営するカメラマン。事件に巻き込まれる。
笠井麻美: 新井と「ゆうづる」で出会う謎の美女。

テレビドラマ

1989年4月7日にフジテレビの『男と女のミステリー』枠でテレビドラマ化された。

キャスト

十津川警部 - 小野寺昭
亀井刑事 - 室田日出男
- 中原理恵
- 寺泉憲
- 速水亮
- 山村紅葉
- 竹井みどり
- 谷村昌彦
- 左右田一平

スタッフ

原作：西村京太郎
脚本：金子裕
音楽：津島利章
監督：高瀬昌弘
制作：フジテレビ、東宝株式会社

『寝台特急「ゆうづる」の女』は、緻密なトリックと意外な展開が魅力のミステリー作品。読者を飽きさせないストーリー展開と、個性的なキャラクターたちが織りなす人間ドラマが楽しめる。

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