寧夏省

寧夏省の概要

寧夏省は、中華民国において設立された省で、現在の寧夏回族自治区全域と内モンゴル自治区の西部を含んでいました。この地域は、古くから多様な民族が暮らし、歴史的にも多くの変遷を経てきました。

歴史的背景

この地域が「寧夏」という名前で呼ばれるようになったのは、1227年に元朝が西夏を滅ぼした際、平穏を願って「寧夏行省」が設けられたことに始まります。その後、明代に入ると「寧夏衛」が設置され、清代には甘粛省へと統合されていきました。その後もこの地は、辛亥革命を経て南京国民政府の成立を迎え、甘粛省の一部として安定的な政治に組み込まれることになりました。

1928年、内政部長である薛篤弼は、甘粛省から寧夏及び青海省を分割設置する計画を提起し、その理由には地域の巨大な面積や漢族とモンゴル族の混在による統治の困難さや新たな開発の促進が挙げられました。10月17日、国民党中央政治会議で寧夏省の設置が正式に決定され、1929年1月1日、寧夏省の成立を迎えました。省の省会は、寧夏県に設置されました。

1945年には省会が銀川市に移転し、銀川市を中心に1市13県2設治局の体制が整えられました。この時、地域内にはモンゴルの2旗も設置されています。

1949年9月、共産党軍が銀川市を解放すると、中華人民共和国の成立に伴い寧夏省は廃止され、その後甘粛省に属することになります。1958年には、旧寧夏省の南部に寧夏回族自治区が設立され、北部は内モンゴル自治区として再編成されました。

行政区画

寧夏省の下部行政区画は以下のようになっています。

• - 市:

- 銀川市

• - 県:

- 永寧県
- 塩池県
- 賀蘭県
- 金積県
- 恵農県
- 中衛県
- 中寧県
- 磴口県
- 同心県
- 陶楽県
- 寧朔県
- 平羅県
- 霊武県

• - 設治局:

- 居延設治局
- 紫湖設治局

• - 旗:

- 阿拉善額魯特旗
- 鄂爾多斯右翼中旗

以上のように、寧夏省はその成立以前から複雑な歴史を抱えた地域であり、多様な文化と民族が共存することからも、日本や他の国々にとっても興味深い地理的・文化的な意義を持つ場所であることが分かります。

もう一度検索