西夏

西夏（せいか、大夏國）

西夏は、1038年から1227年まで存在した王朝で、現在の中国の西北部に位置していました。タングート族の首長である李元昊が建国し、主に寧夏回族自治区がその中心地域となりました。西夏の国号は「夏」に由来し、中国の古代王朝の夏と区別するため、「西」の字が使われます。

西夏の起源と成立

西夏の起源は、唐の初期に遡ることができます。この時期、タングート族は勢力を拡大し、唐に取り入れられました。李姓を受けた李元昊の先祖は、唐末の黄巣の乱でも功績を上げ、その後、夏国公として影響力を持ちました。宋の初期には、藩鎮の軍事権の弱体化を進める政策に対する不満が高まりましたが、1032年、李元昊が夏国公に就任すると、態勢を変え、宋からの独立を果たしました。

李元昊は、李姓を捨て、独自の国号を掲げ、政権の基盤を固めるために西夏文字を制定し、宮殿を建設しました。彼は、青唐王国や西部の宋領を攻撃し、1038年には正式に皇帝を名乗り、大夏を国号としました。

建国初期と全盛期

西夏は建国後、遼と同盟を結び宋に対抗しました。1044年には和議を結び、双方に大きな利益がもたらされました。その後、李元昊の死後、彼の幼い息子が即位しますが、激しい抗争が続きます。しかし、李元昊の後、特に李乾順が皇帝になってからは、社会経済が発展し、国政が安定しました。

一方で、1115年に金が成立すると、李乾順は金の要求を受け入れ、金と一緒に北宋を滅ぼす過程で西夏も拡大し、領土が広がりました。

また、李仁孝の時代には、地震や飢饉による民心の動揺にも対応し、改革を進めました。李仁孝の死後、その息子が即位しますが、国は次第に衰退の兆しを見せ始めました。

衰退と滅亡

政治が腐敗し、国勢が急速に落ち込む中、1206年には親族によるクーデターによって李純佑が殺害され、李安全が即位します。彼は金に対抗するための軍事行動を頻繁に行いましたが、その行動は国力を疲弊させ、内部は一層不安定になりました。モンゴルとの対立が激化し、1211年にはモンゴルが侵攻を開始。

最終的に、1227年に李睍とその支持者たちはモンゴルに投降し、西夏は滅亡しました。この滅亡後も、西夏語や西夏文字は約300年間使用され続けました。明末の反乱指導者・李自成は、西夏建国の祖の子孫を称しましたが、詳しい系譜は明らかではありません。

その他の情報

西夏の歴史は、中国の歴史においても特異な存在であり、厚い文化に包まれた民族が栄えたことを示しています。特に西夏文字は多くの謎を秘めています。そのため、歴史的・文化的な観点から研究が続けられています。

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