寺下岩蔵

寺下岩蔵

寺下岩蔵（てらした いわぞう、1906年3月15日 - 1980年4月19日）は、日本の政治家であり、参議院議員を2期務めました。自由民主党に所属し、地方政治から国政まで幅広い分野で活躍しました。

生い立ちと初期のキャリア

寺下岩蔵は、現在の青森県八戸市で生まれました。八戸尋常小学校（現在の八戸市立八戸小学校）を卒業後、左官屋の手伝いや土木労務者、とび職など様々な職業を経験しました。その後、自ら寺下組を創設し、建設業に乗り出しました。後に会社は寺下建設工業と改称し、地域経済の発展に貢献しました。

政治家としてのキャリア

建設業での成功を基盤に、寺下岩蔵は政治の世界へ足を踏み入れます。八戸市議会議員、青森県議会議員を歴任し、県議会議員としては5期を務め、議長にも就任しました。地方政治での豊富な経験と実績を積み重ね、地域社会の発展に尽力しました。

社会貢献活動

寺下岩蔵は、社会貢献活動にも熱心でした。日本赤十字社青森県支部への多額の寄付や、八戸市の緑化推進事業への貢献が認められ、複数回にわたり紺綬褒章を受章しています。これらの功績は、彼の社会に対する深い貢献心を示すものです。

国政への挑戦と参議院議員としての活動

1973年、津島文治の死去に伴う参議院青森補欠選挙に自民党公認で立候補し、当選しました。その後、1977年の参議院選挙でも再選を果たし、2期にわたり参議院議員を務めました。参議院議員としては、三木内閣で北海道開発政務次官を務め、国政の場で重要な役割を担いました。

その他の役職

寺下岩蔵は、政治家としての活動以外にも、様々な要職を歴任しました。東北電力監査役、自民党青森県連幹事長、同副会長、青森県建設業協会顧問、青森県体育協会理事、青森県アマチュアボクシング連盟会長など、多岐にわたる分野でその手腕を発揮しました。

死去と追贈

1980年4月19日、寺下岩蔵は急性心筋梗塞のため、東京都港区の東京慈恵会医科大学附属病院で亡くなりました。74歳でした。彼の死後、その功績を称え、勲三等旭日中綬章が追贈され、正五位に叙されました。

まとめ

寺下岩蔵は、地方政治から国政まで幅広い分野で活躍した政治家であり、建設業で成功を収めた実業家でもありました。社会貢献活動にも熱心で、地域社会の発展に尽力しました。彼の生涯は、多方面での貢献と地域への愛情に満ちたものでした。

参考文献

衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
『朝日選挙大観』朝日新聞社、1997年。
『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。
『青森県人名事典』東奥日報社、2002年。

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