寺中作雄

寺中作雄（てらなか さくお）は、1909年11月6日に生まれ、1994年10月21日に生涯を閉じた日本の文部官僚です。彼は、公民館創設の功労者として知られ、社会教育法制定において中心的な役割を果たし、戦後の社会教育の創始者として多大な貢献をしました。

兵庫県神戸市出身の寺中は、1937年に東京帝国大学法学部を卒業後、内務省に入省しました。島根県や富山県などでの勤務を通じて、地方自治の実態に触れ、行政官としての経験を積みました。1938年には応召され、兵役に従事しました。

復員後の1944年、寺中は総務局動員企画課課長補佐、同課長などを経て、戦後は文部省で要職を歴任しました。公民教育課長、社会教育課長、社会教育局長として、社会教育の普及と発展に尽力しました。

文部省退省後は、外務省駐仏日本大使館参事官、国立競技場理事長、国立劇場理事長、実務技能検定協会会長などを歴任し、多方面で活躍しました。1980年（昭和55年）には、長年の功績が認められ、勲三等旭日中綬章を受賞しました。

寺中は、社会教育に関する著書も多数発表しています。代表的な著書には、『公民館の建設』（公民館協会、1946年）、『社会教育法解説』（社会教育図書、1949年）、『政治思想のはなし』（大地書房、1949年）などがあります。また、『パリ物語―その歴史の主役たち』（東京美術、1967年）など、社会教育以外の分野でも著作を残しています。没後の1995年には、『社会教育法解説　公民館の建設』（国土社）が再刊され、彼の業績は後世にまで伝えられています。

寺中作雄は、戦後の日本の社会教育の発展に大きく貢献した人物であり、彼の思想と実践は、現代の社会教育にも大きな影響を与えています。

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