寺井谷子

寺井谷子について

寺井谷子（てらい たにこ）は、1944年1月2日生まれの日本の俳人です。俳人であり外科医の横山白虹を父に、評論家の横山健堂を祖父に持つ、俳句の才能にあふれた家系に生まれました。

生い立ちと俳句との出会い

福岡県小倉市（現在の北九州市）で、横山白虹と房子の四女として生を受けました。兄には、長崎大学学長を務めた高分子化学者の横山哲夫がいます。明治大学文学部（演劇学専攻）を卒業後、10歳から俳句を始めました。1966年からは、父である横山白虹が主宰する俳誌「自鳴鐘」の編集に携わり、俳人としての道を歩み始めます。

「自鳴鐘」の主宰として

1984年、寺井谷子は「自鳴鐘」の編集人となり、その後副主宰を経て、2007年には主宰に就任しました。父から受け継いだ俳誌を守りながら、自身の俳句の世界を追求し続けました。

受賞歴と俳壇での活躍

寺井谷子は、数々の賞を受賞しています。1992年には第39回現代俳句協会賞と北九州市民文化賞を受賞。2016年には第7回桂信子賞、2017年には第16回山本健吉文学賞、そして2024年には第24回現代俳句大賞を受賞しました。また、2002年からはNHK俳壇の選者を務め、現代俳句協会副会長、日本文藝家協会会員としても活躍しています。

句集と著作

寺井谷子は、多くの句集を出版しています。代表的なものとして、『笑窪』『以為』『街・物語』『母の家』などがあります。これらの句集には、彼女の繊細な感性と、日常の中にある美しさを捉える才能が表れています。また、俳句に関するエッセイや、他の俳人との共著も多数あります。

主な句集
『笑窪　句集』
『以為　句集』
『街・物語　Photo×haiku』
『未来　寺井谷子句集』
『人寰　寺井谷子句集』
『母の家　句集』
『夏至の雨 句集』

その他の著作
『四季を見る』
『寺井谷子句集』
『紙の碑　秋灯かくも短き詩を愛し谷子』
『俳句の海へ言葉の海へ　NHK俳句』
『風の言葉　九州俳句歳時記』
『共に歩む 横山白虹・房子俳句鑑賞』
『横山房子全句集』（監修）

寺井谷子の俳句の特徴

寺井谷子の俳句は、日常の何気ない瞬間や、自然の美しさを捉えたものが多く見られます。彼女の俳句は、言葉選びが繊細で、読者の心に静かに響くような魅力を持っています。また、写真と俳句を組み合わせた作品にも挑戦しており、俳句の新たな表現の可能性を追求しています。

参考文献

坂口昌弘著『平成俳句の好敵手』文學の森

外部リンク

寺井谷子の句の鑑賞（増殖する俳句歳時記）
* 『俳句界』による寺井谷子インタビュー（youtube）

寺井谷子は、現代俳句界を代表する俳人の一人として、その作品と活動を通じて、多くの人々に俳句の魅力を伝え続けています。

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