横山健堂

横山健堂（1872年12月5日 - 1943年12月24日）は、明治時代から昭和時代にかけて活躍した日本の評論家です。本名を達三といい、山口県出身です。

東京帝国大学を卒業後、明治41年（1908年）から『読売新聞』に「黒頭巾」のペンネームで「新人国記」を連載し、人気を博しました。この連載では、当時の社会情勢や人物を鋭く批評し、多くの読者の関心を集めました。

横山健堂は、維新史、教育史、武道史など、幅広い分野で評論活動を行いました。また、人物評伝にも力を注ぎ、西郷隆盛、乃木希典、大隈重信など、時代を代表する人物の生涯を描き出しました。その評論は、歴史的事実に基づきながらも、独自の視点と解釈が加えられており、読者に新たな発見と興味を与えました。

駒澤大学教授としても教鞭をとり、後進の育成に尽力しました。その学問に対する真摯な姿勢と、学生への熱心な指導は、多くの人々に感銘を与えました。


横山健堂の著書は多岐にわたり、以下のようなものがあります。

初等帝国史 (1899)
日本近世教育史 (1904)
教育史余材 (1908)
現代人物競 (1908)
現代人物管見 (1910)
新人国記 (1911)
文芸地理東海道五十三次 (1911)
旧藩と新人物 (1911)
趣味の人 (1911)
趣味 (1912)
趣味と人物 (1913)
大将乃木 (1913)
人物研究と史論 (1913)
薩摩と琉球 (1914)
文部大臣を中心として評論せる日本教育の変遷 (1914)
鉛筆だより (1914)
人物と事業 (1915)
大将東郷 (1915)
大西郷 (1915)
山水と人物 (1915)
伯大隈 (1915)
怪光 (1916)
潜航海賊船 (1916)
高杉晋作 (1916)
義民宗吾 (1916)
石雲録 (1916)
快心録 (1916)
防長之精華 (1916)
大聖空海 (1918)
秀吉と家康 (1918)
法網を潜る人々 (1929)
長周游覧記 (1930)
師範出身の異彩ある人物 (1933)
峰間鹿水伝 (1933)
錦帯橋国風景記 (1936)
松井大将伝 (1938)
嘉納先生伝 (1941)
日本相撲史 (1943)
日本武道史 (1943)
大西郷兄弟 (1944)
* 松浦武四郎 (1944)

また、長州藩に伝わる武術である専當流を学んでいたという一面も持ち合わせていました。

子の横山白虹は俳人・医師、孫の寺井谷子も俳人という俳句一家でもありました。

横山健堂は、その幅広い知識と鋭い視点によって、明治から昭和にかけての日本の思想界に大きな影響を与えた人物として、今もなお高く評価されています。

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