寺内内閣

寺内内閣の概要

寺内内閣（てらうちないかく）は、元帥陸軍大将であり、軍事参議官でもあった寺内正毅が日本の第18代内閣総理大臣に任命されてから、1916年10月9日から1918年9月29日までの間に存在した内閣です。この期間中、寺内内閣は、様々な国際情勢や国内政治の影響を受けつつ、特に軍事関係の政策に重点を置いていました。

内閣の構成

1926年10月9日、寺内正毅は内閣の顔ぶれを決定し、その中には国務大臣や内閣書記官長などが含まれていましたが、特に注意すべきは、寺内内閣が形成された時点で、参政官のポストは設けられなかったことです。 これは、寺内内閣が主に藩閥勢力（特に山縣有朋系）で構成されていたため、他の政党との連携を意図していなかったことを示しています。

当初、この内閣は前の大隈内閣が抱える問題や対立を引き継いでおり、その中で寺内は「ビリケン内閣」とも称されることがありました。これは、彼の容貌が当時流行のビリケン人形に似ていたからであり、またその内閣のスタイルが「非立憲主義」として批判されることもありました。

内閣の動きと重要な政策

前政権からの引き継ぎと国際情勢

寺内内閣が発足する際、前内閣は長期的な政党と藩閥の対立に苦しんでいました。大隈内閣は長年閣僚を活用してきた立憲政友会との関係が悪化し、その終焉を迎えたのです。寺内内閣はそのチャンスを捉え、特に情報機関と軍の協調を強化して状況を打開しようとしました。

シベリア出兵

1917年11月、ロシアでの十月革命が発生すると、英仏両国は日本に干渉戦争への参加を求めました。当初は外交的な反対意見が強かったものの、諸国の動向や米国の態度を考慮し、最終的に日本はシベリア出兵を決定しました。政府は、18年7月に米国から提案された共同出兵を受けて、8月には正式な出兵を宣言しました。

対華外交と段祺瑞との関係

また、寺内内閣は動乱が続く中国大陸にも目を向け、段祺瑞軍閥との接近を図りました。西原借款として知られる資金支援を通じて、段軍閥の影響力を拡大させることが狙われました。このような外交的手法により、段政権が第一次世界大戦に参戦することとなりました。

経済と内閣の終焉

しかし、経済的な局面では、米騒動が発生し、物価が高騰し市民の不満が募る事態を引き起こしました。寺内首相は体調を崩しており、最終的には米騒動を受けて辞職を決意しました。このような一連の流れを受けて、内閣は1918年9月20日、ついに総辞職し、その後原敬が後任の首相に就任しました。

結論

寺内内閣は、軍事的な立場と外交的な戦略を兼ね揃えた内閣であったものの、国内外の不安定な情勢のために短命に終わりました。軍関係の支持を得ながらも、経済的な圧力や市民の反発に苦しみ、その終焉に至ったことは日本の政治史における重要な一幕となっています。

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