寺地町停留場

寺地町停留場（てらぢちょうていりゅうじょう）

大阪府堺市堺区に位置する、阪堺電気軌道阪堺線の駅の一つです。駅番号は「HN24」が割り振られています。堺市の中心部を南北に貫く主要な通りである大道筋の上に設けられており、周辺は古くからの寺院や学校などが点在する歴史的な街並みが広がっています。

歴史

当停留場の開業は、今から100年以上前、明治の終わりにあたる1912年（明治45年）3月5日に遡ります。当時の阪堺電気軌道によって開設されました。その後、日本の鉄道事業再編の流れの中で、所属する会社はいくつかの変遷をたどることになります。

まず、大正時代の1915年（大正4年）6月21日には、南海鉄道との合併により、南海鉄道の駅となります。戦中・戦後の混乱期には、さらに所属が変更されました。1944年（昭和19年）6月1日には、戦時統合によって近畿日本鉄道の駅となりますが、終戦後の1947年（昭和22年）6月1日には、路線が南海電気鉄道に譲渡されたことにより、再び南海グループである南海電気鉄道の駅となりました。

そして、昭和後期にあたる1980年（昭和55年）12月1日、南海電気鉄道から阪堺電気軌道が路線を譲り受けたことに伴い、開業時と同じ阪堺電気軌道の停留場として現在に至っています。このように、当停留場は明治・大正・昭和を経て、複数の会社によって運営されてきた歴史を持っています。

停留場構造

寺地町停留場は、堺市の主要道路である大道筋の中央部に軌道とともに設置されています。利用者向けの施設としては、単式ホームが上下線合わせて2面設けられています。これらのホームは、交差点を挟む形で互い違いに配置されているのが特徴です。このような配置は「千鳥式」と呼ばれ、特に幅員が限られた道路上などに設けられる路面電車の停留場でしばしば見られます。

具体的には、浜寺駅前方面行きのホームは寺地町東1丁に、そして恵美須町方面行きのホームは交差点を渡った先の少林寺町東1丁に位置しています。それぞれのホームには安全柵や上屋などが設置されており、利用者は道路中央の安全地帯から乗降を行います。

停留場周辺

停留場の周辺地域は、歴史ある堺の街並みを色濃く残しています。徒歩圏内には、以下のような施設や名所があります。

少林寺：曹洞宗の仏教寺院です。
善宗寺：浄土真宗本願寺派の寺院です。
引接寺：かつて存在した寺院の記念碑が残されています。
大阪ベイプラザホテル：宿泊施設として利用されています（旧ホテルサンルート堺）。
堺市立英彰小学校
堺市立少林寺小学校
旧丹治商会：歴史的な建造物です。

また、公共交通機関としては、南海バスの「寺地町」バス停留所が近くにあり、南循環線（21系統）が乗り入れています。これにより、周辺地域への移動手段が確保されています。

隣の停留場

阪堺電気軌道阪堺線において、当停留場の前後の駅は以下の通りです。

恵美須町方面：宿院停留場 (HN23)
* 浜寺駅前方面：御陵前停留場 (HN25)

これらの隣接する停留場との間を結び、地域の重要な交通網の一部として機能しています。

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