寺川俊昭

寺川俊昭（てらかわ しゅんしょう）は、1928年7月28日に生まれ、2021年9月28日に逝去した、日本の著名な仏教学者であり、浄土真宗の僧侶でした。彼は大谷大学の名誉教授として、長年にわたり仏教学の研究と教育に尽力しました。

広島県庄原市（旧比婆郡西城町）出身の寺川氏は、1949年に東京帝国大学文学部宗教学科を卒業後、1954年には東京大学大学院宗教学を修了しました。その後、大谷大学で教鞭を執り、専任講師、助教授を経て、1977年に教授に就任しました。1987年には大谷大学の学長に選出され、1999年に退任するまでその職を務めました。退任後、大谷大学名誉教授の称号を授与されました。

寺川氏の研究は、特に親鸞の思想と、親鸞の思想を色濃く反映した『歎異抄』の解明に重点を置いていました。1978年には、「親鸞の思想研究 『歎異抄』の思想的背景」と題する論文で大谷大学から文学博士の学位を取得しています。

著書も多数あり、主なものとして『清沢満之論』（文栄堂書店、1973年）、『歎異抄の思想的解明』（法蔵館、1978年）、『親鸞のこころ 人間像と思想の核心』（有斐閣新書、1983年）などがあります。これらの著作を通じて、寺川氏は親鸞の思想を現代に解き明かし、多くの人々に深い影響を与えました。

また、共編著・監修も多数手がけており、『定本清澤満之文集』（松原祐善共編、法藏館、1979年）、『真宗入門『正信偈』のこころ』（大河内了悟共著、東本願寺出版部、1981年）などがあります。これらの業績を通じて、仏教、特に浄土真宗の教えを広く社会に伝えることに貢献しました。

寺川俊昭氏は、仏教学の研究者としてだけでなく、浄土真宗の僧侶としても、その教えを実践し、多くの人々に心の安らぎを与えました。彼の学問的業績と人格は、今も多くの人々に敬愛されています。

主な著書（再掲）

『清沢満之論』文栄堂書店 1973
『念仏の僧伽を求めて 近代における真宗大谷派の教団と教学の歩み』改定新版　法蔵館 1976
『現代の真宗 1 寂静の生』弥生書房 1977
『和をもって貴しとなす 聖徳太子・法然・教信沙弥・親鸞の人間像』東本願寺難波別院 1977
『歎異抄の思想的解明』法蔵館 1978
『愚禿と名のった仏者 親鸞聖人』東本願寺出版部 同朋選書 1980
『歎異の大地』法蔵館 1980
『親鸞のこころ 人間像と思想の核心』有斐閣新書 1983
『唯信鈔文意』真宗大谷派宗務所出版部 1984
『他力の救済』法蔵館 高倉会館法話集 1985
『友の同朋にもねんごろに』真宗大谷派名古屋別院御遠忌事務局 1990
『親鸞の信のダイナミックス 往還二種回向の仏道』草光舎 1993
『顕浄土真実教文類聞記』真宗大谷派宗務所出版部 1995
『講話正信偈』法蔵館 1995
『いさみの念仏』法藏館 2000
『群萌の一乗 『顕浄土真実行文類』講究』真宗大谷派宗務所出版部 2001
『往生浄土の自覚道』法藏館 2004
『親鸞聖人の信念 野に立つ仏者』法藏館 2005
『真宗の大綱』文栄堂 2007
『親鸞讃歌』真宗大谷派宗務所出版部 2008
『寺川俊昭選集』文栄堂
第2巻 (歎異抄論) 2008
第3巻 (教行信証論 1) 2009
第9巻 (僧伽論・蓮如論) 2010

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