寺戸城

寺戸城の歴史と遺構

寺戸城（てらどじょう）は、京都府向日市の寺戸町古城に位置していた中世日本の城です。この城は、室町幕府将軍の直轄家臣団である西岡被官衆の一部である竹田氏の居城として知られています。特に、応仁・文明の乱の期間中には、ここが重要な戦略拠点として使用され、その戦いの舞台となりました。

概要

寺戸城は、具体的な築城年代は不明ですが、1336年に竹田掃部左衛門入道成忍が足利尊氏から寺戸郷の地頭職を安堵されたことが記録されています。これにより、南北朝時代の初めに竹田氏によって築かれたことが推測されています。竹田氏はこの地域の土豪であり、歴史的には古城の名称が示すように、寺戸地域に深く根ざしていたと考えられています。また、彼らは桂川西岸に割拠していた西岡被官衆の一員でもありました。

応仁の乱では、1468年に東軍の野田泰忠が城主としてこの城に陣を張り、西軍が占拠していた鶏冠井城への攻撃拠点として整備されました。翌年には西岡被官衆がここに陣替えし、西岡の戦いが繰り広げられました。

寺戸城の遺構

寺戸城は向日丘陵の東側斜面を利用して築かれたとされています。現在、寺戸城跡は向日市立図書館の北側に位置する「はり湖池」の北東側にある住宅地にありますが、城の遺構は宅地化が進んでいるため、明確な形では残っていません。推定地の一つである例慶公園には標柱碑が設置されており、城の存在を物語っています。

周辺には「御所ノ内」、「中垣内」、「古城」といった地名が残っており、これらは寺戸城との関係を示唆しています。特に字古城付近や北古城公園が城の中心部ではないかと考えられています。

西岡被官衆のメンバー

寺戸城を擁する西岡被官衆には複数の著名な家臣が存在しました。例えば、革嶋越前守一宣は革嶋城主で、後にその子孫は細川や明智に仕官します。また、築山兵庫介貞俊は築山城の城主で、細川家の被官として知られ、彼の子孫は熊本藩の家臣となりました。

他にも神足掃部春広（神足城主）、能勢市正光頼（今里城主）、竹田左京進仲広（寺戸城主）などが存在し、彼らはそれぞれ異なる歴史的背景を持つ豪族たちでした。しかし、寺戸城はその時代の動乱を経て、城主やその家臣たちが転籍や逃亡を余儀なくされることもありました。

アクセス情報

寺戸城へのアクセスは鉄道と自動車の両方で可能です。鉄道路線では、阪急京都本線の東向日駅から徒歩およそ10分の距離に位置しています。また、自動車でのアクセスは名神高速道路の京都南ICから国道1号を経由し、京都府道202号を利用する方法がありますが、現在、駐車場は設けられていないため、公共交通機関の利用が推奨されます。

参考文献

寺戸城に関する情報は、いくつかの文献や歴史書にまとめられています。特に『日本城郭大系 第11巻』や『図解 近畿の城Ⅰ』などが参考になるでしょう。これらの資料を通じて、寺戸城やその周辺地域の歴史をより深く知ることができます。

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