寺戸大塚古墳
寺戸大塚古墳
京都府向日市寺戸町芝山に存在する寺戸大塚古墳は、古墳時代前期中葉に築造された前方後円墳です。本古墳は国の史跡に指定されており、乙訓古墳群の一部を形成しています。
概要
寺戸大塚古墳は向日丘陵古墳群内の一基で、その特徴的な形状から多くの歴史的価値が秘められています。この古墳は若干西に傾いており、前方部と後円部の両方に竪穴式石室を備えています。出土品の中でも特に注目されるのが三角縁神獣鏡であり、これは椿井大塚山古墳と同じ鋳型または原型を用いて製造されたものとされているため、両者の関連性が考えられています。また、寺戸大塚古墳は椿井大塚山古墳に埋葬された被葬者の影響下にある人物の墓である可能性も指摘されています。
現状では、竹やぶの土入れの影響で前方部の大部分が失われていますが、墳頂には8メートル四方の埴輪が配置された区画があり、その真下には石室が隠されています。さらに、土師器の供献場が確認されており、この古墳の儀礼的な側面も興味深いです。
規模と構造
寺戸大塚古墳の全長は98メートルで、後円部の高さは18メートルそして直径は57メートルです。埋葬施設としては、前方部に長さ5.3メートル、幅約0.9メートルの竪穴式石室が存在し、後円部には長さ6.45メートル、幅約0.8メートル、高さ1.6メートルの石室があります。このように規模の大きい古墳は、当時の権力や社会制度を反映した重要な遺構となっています。
副葬品
古墳から出土した副葬品は多岐にわたります。
後円部からの出土品
前方部からの出土品
これらの出土品からは、この地域の先史時代の人々の生活や信仰、文化的バックグラウンドを知る手がかりが得られ、古墳研究や考古学的な貴重な資料となっています。
文化財としての位置付け
寺戸大塚古墳は2015年に国の史跡に指定され、2016年には「乙訓古墳群」として他の古墳群と統合され、改めてその重要性が認識されています。このように、歴史的な価値を有する寺戸大塚古墳は、近畿地方の古墳の中でも特に注目される存在となっています。
関連項目
このように、寺戸大塚古墳は縄文時代からの長い歴史の中における重要な文化財として、今後の研究や保存活動が期待されています。
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