寺町 (徳島市)

徳島市寺町：歴史と文化が息づく寺院の街

寺町は、徳島県徳島市の新町地区に位置し、眉山の麓に広がる静かで趣のあるエリアです。この地は、数多くの寺院が集まる場所として知られ、その歴史的・文化的な価値から「とくしま市民遺産」にも選ばれています。

地理的特徴

寺町は、徳島市の東部に位置し、眉山の豊かな自然に囲まれています。東は西大工町、南は西山手町に隣接しており、市内中心部からのアクセスも良好です。町内には、願成寺や東宗院など、様々な宗派の寺院が点在し、独特の景観を形成しています。また、地域住民の生活用水としても利用されている湧水「錦竜水」は、寺町の名物である滝の焼餅に使われています。

歴史

寺町の歴史は、江戸時代に徳島城下町の一部として形成されたことに始まります。蜂須賀家政が徳島城を築く際、勝瑞（現在の藍住町）や尾張から多くの寺院を移築し、当初は寺島に集めました。その後、これらの寺院は眉山の麓である現在の寺町に移転しました。この移転によって、寺町は城下町における宗教・文化の中心地としての役割を担うようになりました。

移築された寺院には、徳川家の位牌を安置する還国寺や浄智寺、真言宗の源久寺や東宗院、日蓮宗の本行寺や寿量寺など、様々な宗派の寺院が含まれています。これらの寺院は、藩主や藩士、そして城下の町人たちの心のよりどころとして、重要な役割を果たしました。

城下町の構成において、寺町は戦時には兵力の屯集場所として利用され、防衛上の重要な機能を担っていました。特に、還国寺や持明院は蜂須賀家と特別な関係を持ち、その他の寺院も藩士や町人の檀那寺として、地域社会に深く根ざしていました。

寺町を彩る寺院群

寺町には、数多くの寺院が点在し、それぞれが独自の歴史と文化を伝えています。

来福寺：
慈船寺：
東光寺：写楽の墓があると伝えられています。
安住寺：
善福寺：阿波西国三十三観音霊場2番札所。
般若院：阿波秩父観音霊場番外札所。
願成寺：徳島七福神霊場・大黒天。
東宗院：新四国曼荼羅霊場78番札所。
源久寺：
還国寺：
浄智寺：
妙長寺：
壽量寺：
長善寺：
本行寺：
妙永寺：
善学寺：
妙典寺：
元勝寺：
本覚寺：
敬台寺：渭津五か寺の一つで、日蓮宗富士派に属します。

これらの寺院は、それぞれが独自の歴史と文化を持ち、寺町を訪れる人々に心の安らぎと癒しを与えてくれます。

名所

錦竜水：眉山からの湧水で、とくしま水紀行50選、とくしま市民遺産にも選ばれています。この湧水は、滝の焼餅の材料としても使われており、寺町の名物となっています。

寺町は、歴史と文化が色濃く残る魅力的なエリアです。静かな街並みを散策し、寺院を巡りながら、その歴史と文化に触れてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索