寺町 (美馬市)

寺町（てらまち）について

徳島県美馬市美馬町に位置する寺町は、多くの寺院が密集している地域です。この場所は「とくしま88景」にも選定されており、歴史と自然が調和する美しいスポットでもあります。

主要な寺院

願勝寺（真言宗）

願勝寺は、平安時代にさかのぼる由緒ある寺院で、崇徳上皇に仕えた阿波内侍によって建立されました。彼は上皇の菩提を弔うために、この寺を作ったとされており、後に移転が行われ、現在の形となりました。願勝寺は歴代の守護や藩主の保護を受け、その後地域を代表する存在となりました。重要な文化財として、八脚門（明治時代）や、室町時代に築かれた美しい「願勝寺庭園」が県指定名勝に認定されています。また、県内最古の博物館である「美馬郷土博物館」もこの寺の敷地内にあります。

安楽寺（浄土真宗）

鎌倉時代に設立された安楽寺は、もともと天台宗の真如寺として発展しました。この寺は、千葉彦太郎常重によって浄土真宗に改宗され、後に幅広い影響力を持つようになります。江戸時代中期に建てられた二重門や、昭和初期に建設された本堂、さらには97年に設けられた能舞台など、歴史ある建物が数多く残されています。

林照寺（浄土真宗）

室町時代に創建された林照寺は、安楽寺の第八住職の弟により設立されたとされています。境内には大きな銀杏の木があり、秋にはその葉が美しく彩ります。また、毎年11月に開催される菊花展は、地域の伝統行事として多くの人々に親しまれています。

西教寺（浄土真宗）

西教寺は江戸時代初期に安楽寺の隠居寺として建てられました。格式の高い寺院であり、周囲に十の末寺を有するなど、その力を保っています。本堂や薬医門、経蔵などが国登録有形文化財に指定されており、歴史的な風景が楽しめます。

常念寺（浄土真宗）

元々は快楽山蓮華院という天台宗の寺院でしたが、室町時代に浄土真宗に改宗し、再建されました。江戸時代末に立てられた本堂は、周囲の自然と共存し、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

郡里廃寺跡

これは奈良時代初期に建立された県内最古の寺院跡で、その重要性は非常に高いです。この遺跡は、古代の美馬の繁栄を示す証拠とされており、塔基壇上に残る礎石や樹齢700年とされる銀杏の巨木は、かつてこの地を支配した豪族の存在を物語っています。

寺町公園

寺町には「寺町公園」と呼ばれる公園もあり、ここは特に菖蒲の名所として有名です。毎年6月には「寺町花しょうぶ祭り」が開催され、多くの観光客が訪れます。

アクセス

寺町へのアクセスはとても便利です。JR徳島線の貞光駅から美馬市営バスで約10分の距離にあります。また、徳島自動車道の「美馬インターチェンジ」からは車で約5分、脇町のうだつの町並みからは約15分で到着します。寺町公園には、快適に駐車できるスペースも設けられています。

周辺情報

寺町周辺には、道の駅みまの里や脇町劇場（オデオン座）、旧長岡家住宅（1715年築）などの観光スポットがあります。また、最明寺という名の寺院や、あんみつ館、デ・レイケ公園なども訪れる価値があります。

寺町は、日本の歴史や文化を深く感じることができる穏やかな場所です。訪れる際にはぜひ、その魅力あふれる寺院群や公園をゆっくりと楽しんでください。

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