寺西博

寺西博氏は、1935年2月8日北海道生まれの日本の元ラグビー選手、そして指導者である。

現役時代はセンターとして活躍し、北見北斗高校から明治大学へと進学。大学時代には、1956年度シーズンには主将を務めるなど、チームの中心選手として活躍した。

同年、オーストラリア学生代表との試合で日本代表デビューを果たし、国際舞台でもその実力を発揮。日本代表として5キャップを獲得した輝かしい経歴を持つ。

明治大学卒業後は日本鉱業に入社。その後、母校である明治大学ラグビー部のコーチに就任し、長くチームを支えた。

特に、明治大学ラグビー部の象徴的存在であった北島忠治監督を長年にわたり補佐した。北島監督が体調不良により1991年度シーズンから試合会場に姿を見せなくなると、寺西氏はチームの指揮を執ることとなる。

北島監督の死去後、1996年には、後任として明治大学ラグビー部監督に就任。就任早々、その手腕を見せつけ、同年度の大学選手権でチームを優勝へと導いた。

しかし、1997年2月21日、コーチ時代に部員の父親から金品を受け取っていたことが発覚。この問題を受け、同日付で監督を解任された。

寺西氏の指導者としての功績は、明治大学ラグビー部における貢献に顕著に見られる。北島監督の下で培われた指導力と経験は、チームの黄金時代を支え、数々の勝利に貢献した。彼の指導の下、多くの選手が育成され、日本ラグビー界に大きな影響を与えたことは間違いない。

しかしながら、金品受領問題は、彼の輝かしい功績に影を落とすこととなった。この事件は、スポーツ界における倫理の重要性を改めて問いかけるものとなった。

寺西博氏の生涯は、成功と挫折、栄光と影が複雑に絡み合った、ドラマチックな人生と言えるだろう。彼の経験は、後進の指導者たちにとって、貴重な教訓となるだろう。

参考文献

『ザ・ワールドラグビー』 （大友信彦 編、新潮社、ISBN 4104627011）の39ページ
『ラグビー 早明戦80年』 （ベースボール・マガジン社、ISBN 4583613016）

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