寺西春雄

寺西春雄（てらにし はるお、1920年3月20日 - 2003年6月22日）は、日本の音楽評論家であり、音楽教育者としても多大な貢献をした人物です。

兵庫県に生まれた寺西は、1944年に慶應義塾大学経済学部を卒業しました。大学在学中から音楽への情熱を持ち、野村光一などの指導を受けながら音楽評論家としての道を歩み始めました。1944年には早くも『音楽評論』に寄稿するなど、その才能を発揮しました。

戦後、寺西は音楽教育の分野にも力を注ぎました。「子供のための音楽教室」の設立に中心的な役割を果たし、次世代の音楽家育成に尽力しました。その後、桐朋学園大学の教授として教鞭をとり、多くの音楽家を育て上げました。また、日本フィルハーモニー交響楽団の事務局長も務め、日本の音楽界の発展にも貢献しました。

さらに、寺西は日ソ音楽家協会の会長も務めるなど、国際的な音楽交流にも積極的に取り組みました。

著書も多数あり、『図解器楽演奏の教室』(1973年)、『音楽史のすすめ』(1983年)、『大音楽家人と作品 チャイコフスキー』(1984年)、『やわらかな音楽教育』(1993年)、『ひらかれた音楽教育』(2000年)などを出版し、音楽教育における独自の理論を展開しました。これらの著書は、音楽教育に携わる人々にとって貴重な資料となっています。

寺西春雄は、音楽評論家としてだけでなく、教育者、音楽団体運営者として、日本の音楽文化の発展に大きく貢献した人物として、その功績は今も高く評価されています。

主な著書

『図解器楽演奏の教室』図鑑の北隆館 特活シリーズ 1973
『音楽史のすすめ』音楽之友社 音楽選書 1983
『大音楽家人と作品 チャイコフスキー』音楽之友社 1984
『やわらかな音楽教育』春秋社 1993
『ひらかれた音楽教育』春秋社 2000

関連事項

二十世紀音楽研究所

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