寺見流

寺見流（じげんりゅう）

熊本藩に古くから伝わる剣術流派、寺見流は現在もその技術が受け継がれています。この流派の現在の宗家である十八代松本泰道によって、寺見流は少なくとも一世紀以上の歴史を持ち、今もその技法が磨かれています。

歴史的背景

寺見流は、薩摩の僧、甲野善衆によって始まりました。彼は霧島山中で天狗から剣技を授かり、これが寺見流の起源とされています。善衆の弟子である都甲肥前がその技術を継承し、以降、村上主税、内田十太夫、大田黒加兵衛と続き、この流派は形を変えながらも存続してきました。

他の流派との関係性も興味深いものです。示現流、薬丸自顕流、自源流といった流派も同じく存在し、それぞれが多少の共通点を持っています。しかし、寺見流の特異性は顕著で、初太刀が防ぎにくい点や八相の構えにおける基本が共通しているものの、用法は異なり、むしろより古い流派であるタイ捨流との共通点が多く見られます。

系譜

寺見流の系譜は次の通りです：

• - 初代：甲野善衆
• - 二代目：都甲肥前
• - 三代目：村上主税
• - 四代目：内田十太夫
• - 五代目：大田黒加兵衛
• - 六代目：渡辺弥三兵衛
• - 七代目：中島弥兵衛
• - 八代目：中島源助
• - 九代目：中島源之允
• - 十代目：中島大次郎
• - 十一代目：中島十之允
• - 十二代目：中島八十八
• - 十三代目：中島源之允
• - 十四代目：松本武一郎
• - 十五代目：松本雅喜
• - 十六代目：松本武男
• - 十七代目：松本泰吾
• - 十八代目：松本泰道

この流派は中島家が江戸時代を通じて代々継承し、熊本藩の中でその地位を確立していきました。系譜を辿ることで、寺見流の伝統と技術がいかに保たれてきたかがわかります。

現在の状況

現代においても、寺見流は技術を改良し、新しい世代に伝承する努力を続けています。松本泰道のもとで学ぶ生徒たちは、その深い歴史と技法を身に纏い、伝統ある武道として寺見流の存在を示しています。これにより、寺見流は熊本地域のみならず、全国的にその名を知られることとなっています。

外部リンク

さらに詳しい情報は以下のリンクからもご覧いただけます。

• - 寺見流剣術
• - 熊本県立図書館 富永家文書『寺見流兵法之書目録』
• - 熊本県立図書館 富永家文書『寺見流兵法目録之図』

このように、寺見流はその歴史的背景と系譜により、深い意味を持つ剣術流派であり、これからも多くの人々に受け継がれてゆくことでしょう。

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