対敵諜報部隊

対敵諜報部隊（Counter Intelligence Corps；CIC）

対敵諜報部隊（CIC）は、アメリカ陸軍に所属する防諜を専門とする部隊です。1942年にエリオット・ソープ准将を初代部隊長として設立され、軍内部における反逆、破壊活動、スパイ行為の調査・監視を主な任務としました。第二次世界大戦後、連合国軍占領下の日本各地にも配置され、情報収集活動を展開しました。

日本における活動

日本においては、第441CIC支隊が活動の中心となりました。この部隊は、主に日系二世で構成されており、彼らの高い語学能力や容姿を活かして、徹底的な情報収集を行いました。その活動は、単なる情報収集に留まらず、戦犯の逮捕や政治犯の釈放、さらには超国家主義者、右翼、共産主義者、労働組合の指導者、在日朝鮮人、進歩的文化人など、幅広い層に対する思想調査にも及びました。1948年1月時点での第441CIC支隊の勤務者は881人に達していました。

第441CIC支隊の変遷

第441CIC支隊は、その設立から解体までにいくつかの組織再編を経ています。

1945年8月: 民間諜報局（CIS）の下部機関として設立。
1946年1月: 対敵諜報部隊の傘下に移管。初代部隊長のソープ准将が辞任し、後任としてW・E・ホーマン中佐が統括。
1948年: 参謀第2部民間諜報課が局に昇格したことに伴い、その統括下に置かれる。
1949年7月: 新設された対敵諜報課(CID)の配下に入る。
1950年1月: 対敵諜報課が廃止され、民間諜報課が復活。第441CIC支隊の責任者がR・G・ダフ大佐からL・G・スミス大佐に交代。

このように、第441CIC支隊は、占領下の日本において、情報収集だけでなく、様々な政治的・社会的な活動に関与し、その後の日本の社会情勢に大きな影響を与えたと言えます。

参考文献

竹前栄治「日本のFBI─民間諜報局」『GHQ』岩波書店〈岩波新書 黄版232〉、1983年、102-106頁。NDLJP:12286826/58。

関連項目

* アメリカ陸軍情報部

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