対泉院

対泉院は、青森県八戸市にある曹洞宗の寺院です。この寺は、根城南部氏の一族である新田氏の菩提寺として、古くから地域の人々に大切にされてきました。

文化財

対泉院の山門は、文化8年（1811年）以前に建てられたとされ、その歴史的価値から2017年（平成29年）8月16日に青森県から重宝（有形文化財）に指定されました。この山門は、江戸時代の建築様式を今に伝える貴重な遺構です。山門の前には、天明の大飢饉の悲惨な状況を後世に伝えるための餓死萬霊等供養塔と戒壇石が置かれています。これらの石造物は、当時の飢饉の状況を物語るとともに、人々の供養の思いを伝えています。特に、餓死萬霊等供養塔は、県史跡にも指定されており、歴史的な価値が認められています。

墓

境内には、愛新覚羅慧生と恋に落ち、悲劇的なピストル心中事件（天城山心中事件）を起こした大久保武道の墓があります。この墓には、慧生と武道の遺髪と爪が納められており、二人の悲恋を偲ぶ場所となっています。多くの人がこの墓を訪れ、二人の冥福を祈っています。

その他

対泉院では、美しい大賀蓮が栽培されています。夏には、ピンク色の大きな花を咲かせ、訪れる人々の目を楽しませています。蓮の花は、仏教において神聖な花とされており、寺の雰囲気に趣を添えています。

脚注

天明の大飢饉: 1782年から1788年にかけて発生した、日本史上最大級の飢饉。この飢饉により、多くの人々が餓死しました。

愛新覚羅慧生: 清朝の皇族の末裔で、大久保武道と恋に落ちた人物。

大久保武道: 愛新覚羅慧生と心中した人物。

関連項目

青森県指定文化財一覧

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