対襲撃部隊

対襲撃部隊（CAT）

対襲撃部隊（Counter Assault Team、略称：CAT）は、アメリカ合衆国大統領の安全を守るために設立されたシークレットサービスの特殊部隊です。この部隊の主な任務は、大統領を危険な状況から保護し、迅速に安全な場所へ退避させることです。対襲撃部隊は、単に大統領を護衛するだけでなく、さまざまなイベントや特別な警備任務においても、他の重要人物に対して戦術的な支援を提供します。

概要

対襲撃部隊は1979年に設立され、基本的にはシークレットサービスの警護作戦局に属しています。この部隊は、大統領のコードネームの前に「ホークアイ」を付けて呼称され、個々の大統領のコードネームに応じた特定の部隊として機能します。たとえば、オバマ大統領の対襲撃部隊は「ホークアイ・レネゲード」と名付けられました。

歴史

1979年以前は、シークレットサービスが危険な要人を護衛する際、特別に武装した捜査官たちが搭乗する大型のセダン「マッスルカー」と呼ばれる車両が使用されていました。これらのチームは、現地の事務所から派遣された臨時部隊で、VIPが攻撃を受けた際に迅速に脱出できるように対抗射撃を行っていました。1979年に、防犯のための特別な訓練を受けたオペレーターが配置され、対襲撃部隊が正式に発足しました。その後、レーガン大統領狙撃未遂事件を受け、「ホークアイ」として大統領警護任務に特化することになります。

2024年には、トランプ元大統領が狙撃された事件において、対襲撃部隊のカウンター・スナイパーが犯人を制圧し、部隊の初の戦歴を記録しました。

任務と訓練

対襲撃部隊の隊員は、厳しい選抜を通過したシークレットサービスの特別捜査官から成り立っています。彼らはジョージア州グリンコにある連邦法執行訓練センターで8ヶ月の初期訓練を受けた後、さらに7週間にわたって専門的な訓練を受けます。その内容には、待ち伏せ戦術や近接戦闘があり、非常に高い身体的能力が求められます。入隊基準としては、20kgのウェイトベストを着用し、懸垂を3回行うことや、2.4kmを9分以内で走ることが求められます。実際、応募者の中から約10％が最終的に隊員になれるとされています。

装備

対襲撃部隊の隊員は基本的に黒の服装とタン色のパンツを着用します。主な装備品には、SR-16ライフルやグロック17、閃光手榴弾などがあります。これらの装備によって、非常時にも対応できる戦闘力を保っています。

護衛と警備

通常、対襲撃部隊は警護車列の一部として展開します。VIPやその車両が襲撃を受けた場合、隊員は襲撃者と戦い、要人を安全に退避させる役割を担っています。特に、ホークアイ部隊は大統領専用車の後方に配置され、緊急時に即座に行動する準備が整えられています。

以上のように、対襲撃部隊は大統領警護において重要な役割を果たし、その特別な任務と危険な環境における対応力により、アメリカの国家安全保障の一翼を担っています。

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