閃光手榴弾

閃光手榴弾（せんこうしゅりゅうだん）は、スタングレネードやフラッシュバンとも呼ばれ、大きな音と閃光を発生させることで、対象を一時的に無力化する非致死性兵器の一種です。主に屋内での近接戦闘、人質救出作戦、暴動鎮圧といった状況で使用されます。

特徴と効果

閃光手榴弾は、閉鎖空間で使用されることで、その効果を最大限に発揮します。炸裂時には、180デシベルを超える大音響と強烈な閃光を放ちます。この音と光によって、効果範囲内にいる人物は、一時的な眩暈、平衡感覚の喪失、ショック状態に陥ります。これにより、対象の注意や判断力を奪い、混乱に乗じて部隊が突入、制圧などの作戦を遂行することを可能にします。

開発と歴史

閃光手榴弾は、1960年代にイギリス陸軍特殊部隊SASのORW（作戦調査中隊）によって開発されました。SAS隊員の訓練用として、新しい装備や技術の評価・開発を行う部門が、その起源となります。1970年代に入ると、SASのCRW Wing（対革命戦中隊、現在のCTW〈対テロ中隊〉）が対テロ作戦での使用を開始しました。その後、ハイジャック事件や人質救出作戦などで効果を発揮し、世界各国の軍隊、警察、特殊部隊で広く採用されるようになりました。日本においては、2000年に発生した西鉄バスジャック事件において、犯人制圧の際に初めて使用されました。

注意点

閃光手榴弾は非致死性兵器として分類されますが、人体への影響が全くないわけではありません。まれに、難聴や火傷といった健康被害の発生が報告されています。そのため、使用にあたっては、対象との距離、閉鎖空間の構造、周囲への影響などを考慮し、慎重な判断が求められます。

関連項目

SAS（特殊空挺部隊）
M84スタングレネード：アメリカ製の閃光手榴弾
* 音響兵器

もう一度検索