対馬空港

対馬空港（つしまくうこう）

対馬空港は、長崎県対馬市にある地方管理空港で、愛称は「対馬やまねこ空港」として親しまれています。この空港は、標高97メートルの白連江山の山頂を切り開いて建設され、周囲の山々から290万立方メートルの土を削り、300万立方メートルを盛土することによって作られました。そのため、空港の滑走路は対馬の上島と下島の地峡を横断する位置に設けられています。対馬県内では初の山岳型空港であり、空港から美津島町の中心までの距離はわずか2.5キロ、厳原町までは14キロとなっています。

沿革

1960年代、日本国内の離島には多くの空港が造られた背景がありましたが、対馬では地形の関係で適した用地が不足していました。そのため、1964年に水上空港が開港し、当時の大村空港と結ぶ路線が運航されたものの、故障や運休が頻発し、わずか19往復の運航で終わりました。

対馬で本格的な空港建設へ向けた動きは、1966年に始まりました。その後、1971年に空港設置の許可を得て1972年には滑走路の延長計画が決定され、1975年に対馬空港は正式に開港されました。この開港は交通利便性の向上や観光業の発展に大きな役割を果たし、交通革命の一環として位置づけられました。

開港後の発展

開港から半年後、1976年には44,000人以上の利用者が訪れ、すぐに島民の要望に応える形で、ジェット機の就航計画が進められました。空港では定期便の運航が増え、1979年には全日本空輸から日本近距離航空に便が移管され、その後も様々な航空会社が就航し続けました。また、1983年に滑走路が1,900メートルに延長されると、ジェット旅客機の導入が進み、年間利用者数は順調に増加しました。

近年の状況

2008年には「対馬やまねこ空港」という愛称が小・中学生の投票によって選ばれ、地域への愛着も高まりました。また、2013年には気象情報を提供する機関が閉所され、航空運航に関連する業務が移管されました。2018年には空港の運営が見直され、いくつかの便が運休となりましたが、引き続き安定した運航が行われています。

施設概要

空港のターミナルビルは、1983年から利用されており、その面積は旧ビルの3.6倍です。駐車場は230台分を有し、空港利用者に便利な環境を提供しています。また、エプロンはジェット機3機と小型機を合わせて5機が配置可能です。

アクセス

対馬空港は、長崎県道64号対馬空港線を通じて国道382号と接続しています。また、空港周辺から厳原や比田勝方面へのバスも運行されており、利便性が確保されています。

このように、対馬空港は地域の発展に貢献している重要な交通拠点であり、空港名に込められた地元の人々の思いは、その魅力を一層引き立てています。

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