対魔忍 紅

小説『対魔忍 紅』の概要

『対魔忍 紅』（たいまにんくれない、TAIMANIN KURENAI）は、対魔忍シリーズの通算15作目として位置づけられています。物語は吸血鬼の血を引く主人公・心願寺紅が、部下である槇島あやめと共に壮絶な試練を乗り越え、成長していく姿を描いています。彼女たちは意図せず闇の世界に引き込まれ、様々な敵と戦い、時には苦しい選択を強いられることになります。

あらすじ

物語は、対魔忍である心願寺紅とその部下・槇島あやめが、地下都市ヨミハラの歓楽施設「グリードハウス」の主人・天堂数馬に捕まる場面から始まります。彼女たちは奴隷娼婦として調教を受け、そこで紅は自らの真実を知ることになります。実は彼女はエドウィン・ブラックと亡き母・楓との間に生まれた長女であり、さらに吸血鬼の血を受け継いでいたのです。これをきっかけに、紅は自らの力に目覚め、天堂を打倒します。

紅の成長の道は決して平坦ではありませんでした。彼女は戦いの中で、仲間のあやめを救うための決断を迫られ、徐々に自らの運命を受け入れるようになります。そしてついには吸血鬼としての力を完全に開花させ、あやめと運命を共に選びます。彼女たちは「元対魔忍の吸血鬼」として、新たな戦いの道に踏み出すのでした。

登場人物

心願寺 紅（しんがんじ くれない）

声 - 武田あまね
紅は物語のヒロインであり、吸血鬼との混血である「ヴァンパイアハーフ」の対魔忍です。彼女はその美しい容姿だけでなく、高い戦闘能力を持つキャラクターです。密かに「殲血の紅姫」として知られ、特に小太刀と風遁の術を駆使した技術に卓越しています。精一杯の思い込みと無邪気さが彼女の特徴です。

槇島 あやめ（まきしま あやめ）

声 - 伊東サラ
あやめは紅の忠実な部下であり、彼女のために命を懸けます。途中で命を失いかけるものの、紅の選択によって生かされ、ふたりは共に困難を乗り越えるサポート役として欠かせない存在です。

フェリシア

声 - 木多野あり
フェリシアは数馬に仕える魔族の少女で、紅とは血縁関係にある実の妹です。彼女の存在はストーリーの中で重要な意味を持ちます。家族の絆がテーマの一つとして描かれています。

制作背景

本作は、シリーズ1作目『対魔忍アサギ』よりも前の時代を舞台としており、アサギが紅の後任に位置づけられる設定や、一部のエンディングでは学生時代のアサギが登場するなど、シリーズ内での繋がりを意識した作りとなっています。また、キャラクターデザインはZOLが担当しており、音楽モードの導入やユーザインタフェースの一新など、ゲームの進化が感じられます。

反響と評価

本作は、特にダウンロードゲームでは高い評価を得ており、2015年の年間同人ゲームランキングにおいても良好なランク入りを果たしました。しかし、世界観の統一性に関しては賛否が分かれており、デザイナー交代に対する意見も見られました。

『対魔忍 紅』は、深いストーリーとキャラクター設定、魅力的な演出でプレイヤーを引きつけ続けています。

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