寿屋 (スーパー)

株式会社寿屋の歴史とその変遷

株式会社寿屋（ことうき）は、1947年に九州地区最大手のスーパーマーケットチェーンとして創業しました。創業の地は大分県佐伯市で、そこに設立された小売店がこの歴史の始まりです。最初は化粧品や小間物を扱う個人経営の店舗でしたが、その後、成長を遂げてスーパーマーケットへの変遷を経ていきます。

初期の発展

1957年に宮崎市に第一号店を開店し、その後、同年12月には法人化され株式会社寿屋として新たなスタートを切ります。1961年には、食料品や日用品の販売を開始するため、総合スーパー「寿屋ストア」をオープン。また、熊本市へも1970年には大型店舗を開設し、九州の各地にその名を広めていきました。

70年代には、ニチイやS東美との提携を行い、1973年には福岡証券取引所に上場します。その後も、顧客サービスを向上させるために、1974年には顧客会を設立するなど様々な施策を打ち出しました。コンピューターの導入も進め、1976年には大阪証券取引所に上場するなど、急成長を遂げました。

事業の diversification

1978年には、外食事業へも参入し「グルッペ」というファミリーレストランを開業。新たなビジネスモデルを模索しつつ、1981年にはコンビニエンスストアにも進出します。1983年には居酒屋事業の「寿里庵」を開店し、同年にはビデオレンタル業にも手を広げ、メディアの多様化にも対応しました。

しかし、1980年代後半からは業績が悪化し、1985年には上場後初の赤字決算を記録します。不振店の閉店や新規出店計画の見直しを図りますが、業績回復には至りませんでした。

破綻と新たな道

1990年代に入り、関連会社の統廃合を進めるものの、経営再建には失敗し、2001年には民事再生手続きの申請を行うことになります。全店舗を一時休業し、従業員が解雇されるまでに追い込まれました。その後、イオングループと合意し、いくつかの店舗は同社に買収され、再出発を試みる形となります。

2003年に商号を株式会社カリーノに変更し、不動産業へと目線を移しました。現在はその領域に特化した事業運営を行なっており、かつてのスーパーマーケットのイメージとは一線を画した存在として、新たな歩みを始めています。

まとめ

寿屋の歴史は、地域に根ざした小さな小売店から始まり、九州最大のスーパーマーケットチェーンへと成長を遂げたものの、時代の波に翻弄される過程で経営再編や商号変更を経験しました。「カリーノ」として不動産業に注力する現在でも、地域との関わりや消費者ニーズの変化に敏感に反応し続けています。

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