封刃師

封刃師

2022年1月16日から3月13日にかけて、朝日放送テレビ制作の「ドラマL」枠で放送されたテレビドラマ。テレビ朝日でも同時刻に先行ネットされた。人間の心に宿る深い闇や憎悪が具現化して生まれた妖しい凶刀「穢刃」を封印する使命を負った特殊な能力者たちの物語が描かれる。

概要

本作は、特定の人間が抱える「穢れ」と呼ばれる心の闇が増幅し、物理的な形状を成した「穢刃」という危険な存在に対抗する者たちの姿を追う。封刃師は穢刃を特別な鞘「鎮冥鞘」に納めることで無力化できるが、その過程で穢れを自身に取り込んでしまい、肉体や精神を蝕まれていく宿命を背負っている。物語は、若き封刃師・御沙神駆を中心に、彼を取り巻く人々や、穢刃が引き起こす不可解な事件、そして封刃師たちの過酷な運命を描き出す。

主要な登場人物

御沙神 駆（おさがみ かける）
演：早乙女太一
主人公。幼くして孤児となり、師匠である悟堂真に引き取られて封刃師として育てられた。穢刃を封じる能力を持つが、その度に自身が穢れに侵されるという宿命に立ち向かう。

五百津 翔（いおつ しょう）
演：遠藤雄弥
駆の相棒。自らは直接戦闘には加わらないが、封刃師としての駆を様々な形で支える後見的な存在。過酷な任務において、駆にとって不可欠な役割を果たす。

石留 カレン（いしどめ カレン）
演：中村ゆりか
鎮冥鞘師。穢刃を封印する際に、穢刃の持ち手となった人間も共に消滅させてしまうことに深い罪悪感を抱いている。

御厨 伊吹（みくりや いぶき）
演：山本千尋
駆とは異なるもう一人の封刃師。二本の鞘を自在に操る技を持つ。

三條 美緒（さんじょう みお）
演：深川麻衣
週刊誌「ニューズデイズ」の記者。なぜか「穢れ」を視認できるという珍しい能力を持ち、その能力に導かれるように穢刃が関わる事件に巻き込まれていく。父親もかつて新聞記者だった。

巳前（みさき）
演：手塚とおる
素性不明の謎多き人物。穢刃に関する情報を五百津肇に提供し、封印された穢刃を回収している。

五百津 肇（いおつ はじめ）
演：橋本じゅん
翔の父。骨董店「五百津堂」の主人。巳前から得た情報に基づき、息子・翔と御沙神駆に穢刃回収の任務を指示する。

悟堂 真（ごどう しん）
演：坂口拓
御沙神駆の師匠であり、先代の封刃師。6年前まで、五百津肇と共に穢刃を封印する活動を行っていた。

神代 弓美（くましろ ゆみ）
演：武田梨奈
警視庁捜査一課の刑事。穢刃が関わる連続殺人事件の捜査を独自に進める中で、妹が穢刃に襲われる事件に遭遇し、封刃師の存在を目撃する。その後、事件の捜査が再び打ち切られたことに悩み、フードの男に襲われて自らも穢刃と化してしまう悲劇的な運命を辿る。

用語解説

穢刃（けがれやいば）
人間の心に深く溜まった「穢れ」、すなわち闇や憎悪といった感情が具現化して生まれる妖しい凶刀。穢刃を手にした者は魂を吸い取られ、常人を超えた力を持ち、不死身となって無差別に殺戮を繰り返すようになる。

封刃師（ふうじんし）
穢刃を封印する特殊な能力を持つ者たちの総称。穢刃と対峙し、鎮冥鞘を用いてその力を無力化する。しかし、穢刃を封じる際に放出される穢れを自身に蓄積してしまう宿命を負っており、徐々に心身が蝕まれていく。

鎮冥鞘（しずめざや）
穢刃を封印するために特別に作られた鞘。封刃師はこの鎮冥鞘を唯一の武器として穢刃と戦う。穢刃をこの鞘に納めることで、その活動を停止させることができる。

* 鬼噛（おにがみ）
新たな穢刃を生み出す能力を持つ刀。第二次世界大戦中、穢刃の力を利用して無敵の不死身部隊を編成しようという計画のもと、穢刃の出現をコントロールする目的で、穢刃の所有者に対する生体実験によって生み出された。

スタッフ

原作は中島かずき氏とアニプレックス、ABCアニメーション。脚本も中島かずき氏（劇団☆新感線）が手掛け、監督は藤井道人氏ら複数名が務めた。主題歌は秋山黄色氏の「見て呉れ」。アクション武器制作や特殊メイクなど、独自の世界観を構築するための専門スタッフが参加している。

本作は、人間の心の闇という普遍的なテーマを扱いながら、封刃師という異能の存在と穢刃との戦いを描くダークファンタジー・アクションドラマとして、その独特な設定と迫力あるアクションシーンで視聴者を引きつけた。

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