専修院 (豊島区)

専修院は、東京都豊島区に所在する浄土宗の寺院です。その歴史は、16世紀末の1597年（慶長2年）または17世紀初頭の1617年（元和3年）に、業誉弁教によって開山されたことに始まります。

当初、専修院は浅草新寺町（現在の台東区松が谷）に位置していましたが、1908年（明治41年）に現在の豊島区へと移転しました。この移転は、時代の変化とともに寺院のあり方が変わる中で、新たな地での発展を目指したものでした。

専修院の境内には、歴史的に重要な人物たちの墓所が点在しています。特に注目されるのは、浄瑠璃富本節の歴代富本豊前太夫の墓です。富本節は、江戸時代に隆盛した浄瑠璃の一派であり、その歴史を今に伝える貴重な存在です。また、富士講の開祖である角行の墓も、この寺院にあります。富士講は、富士山を信仰する民間信仰であり、その開祖の墓が専修院にあることは、この寺院が持つ歴史的な重みを物語っています。さらに、法学者である穂積八束の墓も、専修院にあります。穂積八束は、明治時代に活躍した法学者であり、日本の法制史に大きな足跡を残しました。

これらの著名人の墓所があることは、専修院が単なる寺院としての役割だけでなく、歴史と文化を伝える場所としての役割も担っていることを示しています。訪れる人々は、この場所で歴史の深さを感じることができるでしょう。

交通アクセスとしては、最寄りの巣鴨駅から徒歩約9分という便利な立地にあります。そのため、多くの人が気軽に訪れることができます。専修院は、静かな佇まいでありながら、その歴史と文化的な背景から多くの人々を魅了する場所です。

参考文献

豊島区立郷土資料館 編『豊島の寺院（豊島区立郷土資料館調査報告第二集）』豊島区教育委員会、1986年

もう一度検索