専従

専従（せんじゅう）について

専従とは、特定の業務に専念している者のことを指します。具体的には、医療機関において診療に従事する従業員がその業務に80%以上の時間を費やしている場合や、労働組合における「組合専従者」、さらに政治団体において専ら業務活動を行う「専従活動家」などが挙げられます。

専従の種類

専従活動家

専従活動家は、特定の政治団体の活動に専念している人々です。日本共産党や民主青年同盟などの組織に従事することが多く、高校や大学を卒業した後は、当該団体の活動のみを行うことになります。略称として「専従」が用いられます。

元党員である篠原常一郎によると、日本共産党中央委員会の職員でさえも、年間給与は約400万円ほどであり、30歳未満の者は200万から250万円程度という低い水準にあることが示されています。この実態は、地方の党機関でも見られ、給与は中央と比べて低く、場合によっては遅配や未払いが発生し、独立して生活するのが困難なことも多いとされています。そのため、元日本共産党トップの不破哲三は、彼らの状況を「赤い貴族」と称しています。

組合専従

労働組合における専従者は、勤め先の業務から「休職扱い」となり、その間に組合活動のみを行っています。これには、在籍専従として雇用関係を維持しつつ労働組合業務に従事している者と、離職し組合活動に専念する非在籍専従者（離職専従者）が含まれます。

1949年に改正された労働組合法（昭和24年法律174号）以降、専従者の給与は勤め先側負担から組合側負担へと変更され、「有給在籍専従制」は禁止されました。これにより、雇用者である勤め先との関係が「休職扱い」として、専従者は労働組合の活動に取り組むことができるようになりました。

ヤミ専従

ヤミ専従は、職場で記録上は勤務していると見せかけながら実際には組合活動を行っている違法な行為です。2005年に、大阪市の複数の職員に関する問題が浮き彫りになり、彼らが職場に出勤せず組合活動だけを行っていたことが報じられました。この事件は「大阪市職員厚遇問題」として広く知られるようになり、カラ残業や職員の特権的な待遇なども取り沙汰される結果となりました。

まとめ

専従という言葉は、医療機関や労働組合において特定の業務に従事する者を指し、その取り扱いは多様です。専従活動家、組合専従、ヤミ専従など、それぞれが異なる背景や課題を抱えています。日本における専従に関連する制度や実態は、労働市場や政治活動においても重要な要素となっているのです。

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