射鵰英雄伝EAGLET

『射鵰英雄伝EAGLET』（しゃちょうえいゆうでんイグレット）は、白井三二朗が描く日本の漫画作品です。翻訳協力として金海南が名を連ねています。本作は、中国の著名な作家、金庸による武侠小説『射鵰英雄伝』を原作としています。講談社発行の『月刊少年シリウス』にて、2009年3月号から2010年12月号にかけて連載されました。

タイトルの「鵰」は「鷲」を意味し、「EAGLET」は英語で「鷲の子供」を表します。物語の舞台は13世紀の中国大陸。南宋が北方の金国との対立に疲弊している時代です。義侠心に燃える少年・郭靖と、聡明な少女・黄蓉が、この混乱の中で様々な冒険を繰り広げます。

原作である金庸の『射鵰英雄伝』を基にしていますが、物語の展開や設定には大きな変更が加えられています。例えば、原作では郭靖の父の世代から物語が始まりますが、本作ではその部分は描かれていません。また、郭靖が内功を習得する場所も、原作のモンゴルではなく中原に変更されています。このように、原作の要素を活かしつつも、新たな解釈や展開が盛り込まれているのが特徴です。

登場人物

郭靖（かくせい）：物語の主人公。彼は生まれる前の記憶を持っており、母親の胎内にいた時に父親が金の手先によって殺害される場面を覚えています。性格は朴訥で愚鈍ですが、非常に義侠心が強く、自分よりも強い相手にも果敢に立ち向かいます。物語開始当初は武術の腕は凡庸以下で、道場への入門も拒否されるほどでしたが、黄蓉から内功を教わり、洪七公から「降龍十八掌」を伝授されたことで、大きく成長を遂げます。黄蓉との協力によって、金軍から集落を守ったり、強敵である黒風双殺を撃退するなど、数々の活躍を見せるようになります。

黄蓉（こうよう）：謎の少女。非常に計算高く、関西弁で話します。頭の回転が速く、卓越した知恵を持っています。また、武術の腕も相当なもので、「弾指神通」の秘儀を習得しています。郭靖に内功を教えた人物でもあります。

完顔康（わんやんこう）：郭靖と同じく、生まれる前の記憶を持つ少年。普段は悪ぶっていますが、根は優しい性格です。「九陰白骨爪」の秘儀を習得しており、後に郭靖の宿敵となります。

洪七公（こうしちこう）：郭靖が監獄で出会った老人の武芸者。郭靖の持つ義侠心に感銘を受け、「降龍十八掌」の奥義である「亢龍有悔」を伝授します。

黒風双殺（こくふうそうさつ）：女性の武芸者。姫カットの美しい容姿をしていますが、性格は非常に冷酷で、武功を極めるためには殺人も厭いません。非常に才能があり、郭靖が使用する「亢龍有悔」を数回見ただけでその技を習得しています。

書誌情報
講談社シリウスKCより、以下の5巻が刊行されています。

2009年7月23日発売 ISBN 978-4-06-373182-8
2009年10月23日発売 ISBN 978-4-06-373192-7
2010年3月23日発売 ISBN 978-4-06-376214-3
2010年8月9日発売 ISBN 978-4-06-376230-3
2010年12月9日発売 ISBN 978-4-06-376246-4



脚注

関連項目
射鵰英雄伝 (漫画) - 李志清による漫画

外部リンク
『少年シリウス』オフィシャルサイト 作品紹介

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