尊朝法親王

尊朝法親王

尊朝法親王（そんちょうほっしんのう）は、天文21年8月20日（1552年9月8日）に生まれ、慶長2年2月13日（1597年3月30日）に亡くなった、戦国時代から安土桃山時代にかけての天台宗の僧です。伏見宮邦輔親王の第六王子として生まれました。

青蓮院門跡の継承

尊朝法親王は、わずか4歳という幼さで青蓮院門跡を継承しました。これは、先代の尊鎮法親王が亡くなった後、空席となっていた青蓮院門跡を埋めるための措置でした。しかし、幼少であったため、門跡としての職務を実際に行うことはできませんでした。

この時期、青蓮院の傘下にあった浄土真宗本願寺の顕如は、朝廷に働きかけ、永禄2年（1559年）に本願寺を門跡に昇格させました。この出来事は、青蓮院の勢力が相対的に低下したことを示しています。

書道家としての才能

成長した尊朝法親王は、書道に優れた才能を発揮しました。青蓮院流の書風を学びましたが、そこからさらに独自の境地を切り開き、尊朝流という新しい書風を創始しました。この尊朝流は、後世にも大きな影響を与えました。

上杉景勝との親交

尊朝法親王は、越後国の戦国大名である上杉景勝と親交がありました。景勝は、尊朝法親王の知性と人柄を高く評価し、さまざまな場面でその助言を求めたとされています。

天正15年（1587年）に、越後国で新発田重家が反乱を起こした際、景勝は尊朝法親王に仲介を依頼しました。尊朝法親王は、景勝の要請を受けて新発田重家に対し和睦を勧告する使者を派遣し、事態の収束に貢献しました。この出来事は、尊朝法親王が単なる僧侶ではなく、外交官としても優れた能力を持っていたことを示しています。

経歴

弘治元年（1555年）：青蓮院門跡を継承
永禄6年（1563年）：得度し、尊朝と号す
慶長2年（1597年）：薨去

関連項目

尊朝流

尊朝法親王は、書道家、僧侶、そして外交官としての才能を発揮し、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍しました。その生涯は、多くの人々に影響を与え、後世に語り継がれています。

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