顕如

顕如（けんにょ）

顕如は戦国時代末期から安土桃山時代にかけて活躍した浄土真宗の僧で、浄土真宗本願寺派の第11世宗主であり、真宗大谷派の第11代門主です。彼は大坂本願寺の住職として知られ、多くの信者に支持されました。顕如の名は号であり、彼の本名は光佐です。また、本願寺という寺号も冠して本願寺光佐とも呼ばれることがあります。彼の院号は信楽院といい、法印大僧正、准三宮の位を持っています。顕如は、第10世宗主である証如の長男として生まれ、彼の父は関白内大臣の九条稙通の猶子でした。また、顕如は結婚し、妻は左大臣の三条公頼の娘である如春尼であり、彼との間には三人の息子がいます。

来歴

顕如の誕生は天文12年（1543年）の1月6日または7日です。彼は父証如が重体になった天文23年（1554年）に急遽得度され、12歳で本願寺の法主になりました。父証如が亡くなった後、顕如は祖母鎮永尼の補佐を受けながら教団の運営にあたります。

弘治3年（1557年）には、六角定頼の猶子である如春尼と結婚しました。この結婚は政略的なものでしたが、二人はお互いに詩を詠むほど良好な関係を築いていました。顕如が本願寺の院家となったのは永禄2年（1559年）であり、これにより本願寺は門跡寺院としての格式を得ました。

顕如は、彼の時代に本願寺教団が急速に発展を遂げる要因となります。彼は新たな寺院の設立や配置を行い、経済や軍事面において大きな権力を持つようになりました。本願寺は、この時期に京都や畿内での影響力を強めていきます。顕如は自身の地位を強化し、教団の最盛期を築き上げました。

信長との対立

しかし、顕如の時代は織田信長との対立でも知られています。顕如は信長に対抗するため、全国の本願寺門徒に信長打倒を呼びかけ、信長包囲網に参加しました。この抗争は長い期間にわたる激しい戦闘を伴い、特に石山合戦として知られる一連の戦闘が行われました。

元亀元年（1570年）の始まりの頃、顕如は石山本願寺に籠城し、雑賀衆と連携して信長に抵抗しました。しかし、次第に信長との対立は厳しくなり、元亀4年（1573年）には都市の防衛が難しくなり、最終的に信長と和解することになります。

晩年

顕如は本願寺を退去した後、紀伊国鷺森御坊に移り住むことになりました。その後、羽柴秀吉との関係を築き、経済的な基盤を利用して新たな本山を設立します。顕如の死後、彼の跡を継いだ教如との間では対立が生じ、最終的に顕如が築いた教団は分裂へと進むことになります。

顕如は天正20年（1592年）に他界し、彼の教えはその後の本願寺に大きな影響を与え続けました。顕如の功績は、今も浄土真宗を支える重要な要素とされています。

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