尋常科

尋常科の歴史と概要

尋常科（じんじょうか）は、日本の旧制学校における課程名であり、特に学校教育法施行以前の教育制度内で重要な役割を果たしました。尋常科は、より高いレベルの教育を提供する「高等科」と対になる形で位置づけられており、これによって教育の体系が整えられていました。

旧制小学校の尋常科

尋常科は、主に旧制小学校に関連付けられています。この課程は、義務教育の一環として6歳から始まり、修業年限は6年間でした。この教育制度は1941年に国民学校令によって「初等科」と改稱され、名前が変わるとともに、教育内容や目的も微細に調整されていきました。

旧制中[[学校]]・旧制高等学校の尋常科

次に、尋常科は旧制中[[学校]]と旧制高等学校においても重要な位置を占めています。具体的には、尋常科は旧制中[[学校]]に相当し、こちらの修業年限は5年でした。1886年に制定された第一次中[[学校]]令では中[[学校]]が尋常中[[学校]]と高等中[[学校]]に分かれ、尋常中[[学校]]は5年間の教育を行うことが定められました。しかし、1899年には第二次中[[学校]]令によって尋常中[[学校]]は単に「中[[学校]]」として統一されたのです。

高等学校の尋常科

さらに進むと、1918年に公布された第二次高等学校令により、旧制高等学校の課程が設けられることになり、尋常科の位置付けも広がりました。この令により、高等学校は通常、修業年限を7年とし、多くの場合、高等科と尋常科の2つのカリキュラムを並行して設置することができました。

特に、尋常科は旧制中[[学校]]の教育に相当するもので、修業年限は4年間でした。この制度の導入に伴い、尋常科を持つ高等学校はいくつか設立され、官立や私立の学校が実際に存在することになりました。具体的には、東京高等学校、台北高等学校、富山県立高等学校などがありますが、これらの学校は戦後に新制高等学校へと発展し、教育の質はそのまま引き継がれていったのです。

尋常科の廃止と継承の歴史

戦前から戦後にかけて、尋常科は徐々にその位置を変化させました。特に、1934年に東京高等学校で初めて尋常科が廃止され、1943年から1944年には財政問題などにより他の尋常科も廃止されていきました。しかし、残されたいくつかの学校は戦後の1946年に新制高等学校や中[[学校]]への移行を経て、その教育方針や制度を継承しました。これらの学校は旧制高校時代からの歴史的な意義を受け継ぎ、校章や校旗などの形式にもその影響が表れています。

たとえば、東京高等学校の尋常科は現在、東京大学教育学部附属中等教育[[学校]]に引き継がれ、都立高等学校の尋常科は東京都立大学附属高等学校に継承されています。また、武蔵高等学校、成蹊高等学校、成城高等学校、甲南高等学校もそれぞれ新制の中[[学校]]や高等学校へ移行し、新たな教育の段階で昔の名残を活かしながら進化しています。

結論

このように尋常科は、日本の教育制度において重要な役割を持っていたことがわかります。戦前から戦後にかけて大きな変革を遂げながらも、その歴史と伝統は今なお多くの学校に引き継がれているのです。

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