小さな惑星の小さなお話

小さな惑星の小さなお話

『小さな惑星の小さなお話』（ちいさなほしのちいさなおはなし）は、漫画家のかずといずみが手掛けた日本の作品集です。

概要

この作品集は、かずといずみ氏が主に同人誌の形で発表してきた作品などを集めたものです。全14編の短編で構成されており、それぞれの物語が独立しながらも、どこか共通する温かい空気感を持っています。日々の小さな出来事や、登場人物たちのささやかな心の機微を描いた作品が収められています。

収録作品

本書に収録されている短編は以下の14作品です。

あかよろし!
発表会の日
自由形1メートル
誰かが何かを隠してる
魔法少女ケミカルネオン
禁止されていること
緑色
くろくろ
くろいろ
しろいろ
はちみつレモン
三国姫
声とコエ
こころの魔法

登場人物

いくつかの短編には特定の登場人物が設定されています。ここでは、特に「あかよろし!」に登場する主なキャラクターを紹介します。

あかよろし!

一柳 藤（いちやなぎ ふじ）
この物語の中心人物です。私立・菖蒲ヶ丘学園に通う2年生で、17歳。本来は真面目で優秀な生徒ですが、高身長で威圧感のある外見と男性的な話し方が原因で、「静かなる阿修羅」という不本意なあだ名をつけられており、不良生徒たちからも恐れられる存在となっていました。こうした事情から、クラスに馴染めず、いつも一人で過ごしていましたが、ノルウェーからの留学生キリ・ストゥルルソンと出会ったことで状況は変わります。花札をきっかけにキリと親友になり、それまで誰にも見せることのなかった穏やかな笑顔を見せるようになります。

キリ・ストゥルルソン
「あかよろし！」のもう一人の主要人物。ノルウェーから日本にやってきた留学生です。祖母から花札を受け継ぎ、学園の花札部に入部するために菖蒲ヶ丘学園に留学し、藤と同じクラスに編入してきました。明るく奔放な性格で、不良生徒に恐れられる藤にも臆することなく親しく接します。入学時に花札部がすでに廃部になっていることを知り一度は落胆しますが、藤から「なくなってしまったなら、もう一度作ればいい！」と提案され、藤と共に花札部の再建を目指すことになります。

2人組の不良生徒
藤とキリのクラスメイトである不良たちです。藤を「一柳さん」と呼び、「静かなる阿修羅」と呼ばれる不良だと誤解しており、彼を恐れています。二人のうち一人は唇が厚いという特徴があります。藤とキリが楽しそうに花札で遊ぶ様子を目にし、次第に花札に興味を持つようになります。

女性教師
藤とキリのクラス担任を務める女性教師です。若い先生でありながら、不良生徒が多いとされる学園においても、生徒たちを恐れる様子は見られません。

松
菖蒲ヶ丘学園の学園長です。花札部の再建を目指す藤とキリに対し、キリが帰国した後、再び廃部になる可能性を示唆しますが、藤が「私が引き継いで存続させます」と力強く宣言したことで、二人の熱意と覚悟を認めます。そして、花札でキリが自分に勝てば、学園長である自分が顧問を引き受けると約束し、キリと勝負に挑みます。しかし、結果は学園長の勝利に終わり、顧問は別途探すこととなりました。実は彼女自身が菖蒲ヶ丘学園の卒業生であり、学生時代には花札部の部長を務めていたという過去があります。

書誌情報

本書の書誌情報は以下の通りです。

書名：『小さな惑星の小さなお話－かずといずみ作品集』
著者：かずといずみ
レーベル：ジャイブ〈CR COMICS〉
巻数：全1巻
発行年月：2008年5月
* ISBN：ISBN 4861764866

この作品集は、かずといずみ氏の描く温かく人間味あふれる短編を一度に楽しめる一冊となっています。個性です。それぞれの「小さなお話」の中に、読者の心に寄り添うような優しい視点とユーモアが散りばめられています。

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