小倉正史

小倉正史（おぐら まさし）は、1934年5月3日に千葉県千葉市で生まれ、2020年3月1日に85歳で亡くなった、日本の美術評論家、フランス語翻訳家です。国際美術評論家連盟の会員でもありました。

彼は、美術評論家として、アール・ヌーヴォーからポストモダンまでの幅広い現代美術を対象に研究、評論活動を展開しました。その評論は、単に作品を分析するだけでなく、美術が社会や文化に与える影響についても考察しており、美術に対する深い洞察力と幅広い知識に基づいたものでした。

また、フランス語翻訳家としても、多くの重要な著作を翻訳し、日本の読者に紹介しました。アンドレ・レスレールの『アナキズムの美学』、ブレーズ・ガランの『芸術からの解放』、ジャン＝リュック・ナンシーの『遠くの都市』など、彼の翻訳によって、フランス現代思想の重要な概念が日本に紹介され、日本の思想界、美術界に大きな影響を与えました。

1994年には、その長年の功績が認められ、フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ賞を受賞しました。この勲章は、芸術や文学の分野で顕著な業績を上げた人物に贈られるもので、小倉正史の国際的な活躍を象徴するものと言えるでしょう。

主な著書としては、

『現代美術 アール・ヌーヴォーからポストモダンまで』（共著、新曜社、1989年)
『現代美術を考える』（スタジオスパーク / Kindle版電子書籍、2016年)
『アートはどこへ行く？ 小倉正史著作選集』（水声社、2022年）

などがあります。

また、翻訳書としては、

アンドレ・レスレール『アナキズムの美学』（現代企画室、1994年）
ブレーズ・ガラン『芸術からの解放』（青弓社、1997年）
ジャン＝リュック・ナンシー『遠くの都市』（青弓社、2007年）

などがあります。

企画展としては、

「大地の魔術師たち」（ポンピドゥー・センター、パリ、1989年 企画協力）
「サルキス Zone 展」（北関東造形美術館、前橋、1994年）
* 「杉本博司展」（カナダ大使館ギャラリー、東京、1996年）

などがあります。

これらの活動を通して、小倉正史は日本の美術界、思想界に多大な貢献をしました。彼の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

国際美術評論家連盟の会員でもあり、その活動は国際的なものでした。

小倉正史は、美術評論、翻訳、企画展など、多岐にわたる分野で才能を発揮し、日本の美術界、思想界に大きな足跡を残しました。その業績は、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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