新曜社

新曜社とは

新曜社（しんようしゃ）は、東京都千代田区に本社を置く日本の出版社で、社会学、心理学、哲学を主な出版ジャンルとしています。近年ではこれらの分野のみならず、さまざまなテーマの書籍も手掛けており、著名な作家の意義深い作品を多数出版しています。

設立と沿革

1969年に、堀江洪によって設立された新曜社は、最初の頃は小規模な出版社としてスタートしました。当初は、年に1〜2冊の出版にとどまりましたが、徐々に成長を遂げ、多くの重要な作品をリリースしています。堀江氏の他界後、2007年からは塩浦暲が社長に就任し、さらに活発な出版活動を続けました。

特徴的な著作

新曜社が刊行する書籍の中でも特に注目されるのは、小熊英二の一連の著作です。彼の代表作『民主と愛国』は、多くの読者に支持され、人文学の領域での評価を高める要因となりました。また、同社からは村上陽一郎の『西欧近代科学』やアリス・ミラーの『魂の殺人』、ポール・リクールの『時間と物語』全3巻など、学術的意義のある作品が多数出版されています。

議論を呼んだ事例

新曜社は、その活動の中で時折問題提起を行っています。2018年に受賞した北条裕子の作品『美しい顔』が、新曜社の出版した『3.11 慟哭の記録』との内容の類似性を指摘されたことは一例です。この事例では、著者たちの想像力がどのようにリアリティを反映するのか、また被災者の視点からの受け止め方が重要な議論とされ、関係者の間での対話が求められました。

評価と位置付け

宮崎哲弥は、新曜社を日本における代表的な学術出版社の一つと位置付けており、岩波書店やみすず書房などの大手出版社と対をなすレベルのものとして評価しています。これにより、新曜社は文献の質においても高い信頼を得ていることが伺えます。

現在の所在地

新曜社の本社は東京都千代田区神田神保町に位置し、出版や編集のチームが活動しています。また、営業部は近隣の2丁目に所在します。

新曜社は、今後も多様なジャンルの書籍を通じて、社会に対する新たな視点や考え方を提供し続けることでしょう。

もう一度検索