小倉紀蔵

小倉紀蔵（おぐら きぞう）

小倉紀蔵（本名：小倉雅紀）は、1959年5月14日東京都に生まれた日本の韓国学者、哲学者です。京都大学大学院人間・環境学研究科教授として、韓国哲学、韓国文化社会論、東アジア比較思想などを専門としています。

略歴

小倉紀蔵は、東京大学文学部ドイツ文学科を卒業後、広告代理店電通に入社しコピーライターとして活躍しました。その後、電通を退職し、ソウル大学校大学院で東洋哲学を学び、修士号を取得。さらに博士課程単位を取得しました。東海大学外国語教育センター講師、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授を経て、2012年より現職である京都大学教授に就任しました。

研究と教育活動

小倉紀蔵は、NHK教育テレビジョン「ハングル講座」の講師を務めるなど、教育分野でも広く活動しています。また、日韓友情年2005実行委員としても活動し、日韓文化交流にも尽力しました。その研究は、韓国の文化、社会、思想を深く掘り下げ、東アジアの視点から比較考察することに重点を置いています。彼の著作は、一般読者にも理解しやすいように、韓国の社会や文化を哲学的な視点から解説しています。

著作

小倉紀蔵は、数多くの著書を執筆しており、そのテーマは韓国文化、思想、歴史、日韓関係、東アジアの比較文化に及んでいます。

主な著書には以下のようなものがあります。

『昭和最後のソウル 日本語で韓国を語るという冒険』（1992年）
『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』（1998年、2011年新装版）
『韓国人のしくみ 〈理〉と〈気〉で読み解く文化と社会』（2001年）
『韓国、ひき裂かれるコスモス』（2001年）
『韓流インパクト ルックコリアと日本の主体化』（2005年）
『歴史認識を乗り越える 日中韓の対話を阻むものは何か』（2005年）
『おれちん 現代的唯我独尊のかたち』（2006年）
『日中韓はひとつになれない』（2008年）
『朱子学化する日本近代』（2012年）
『入門 朱子学と陽明学』（2012年）
『朝鮮思想全史』（2017年）
『群島の文明と大陸の文明』（2020年）
『韓国の行動原理』（2021年）

これらの著作を通して、小倉紀蔵は、日本と韓国の相互理解を深めるための独自の視点を提供しています。

その他の活動

小倉紀蔵は、学術研究だけでなく、一般向けの講演会やメディア出演も積極的に行っています。日韓関係の歴史認識問題や、東アジアの文化交流について、多角的な視点から考察を深め、積極的に発言しています。

家族

父の小倉貞男は、ジャーナリストであり東南アジア研究者です。ベトナム戦争報道にも関わりました。この父の存在も、小倉紀蔵の国際的な視野を形成する上で大きな影響を与えたと考えられます。

外部リンク

小倉紀蔵教授 - 京都大学大学院人間・環境学研究科 教員紹介
小倉 雅紀 - 京都大学 教育研究活動データベース
小倉紀蔵 - 『夕学五十講』講師紹介ページ
「共同体」ではなく、「共異体」という発想を　小倉紀蔵さん｜慶應MCC「夕学五十講」楽屋blog
「日本の嫌韓派は何を主張しているのか」 2014年11月24日のソウル大学での小倉紀蔵の講演で配られたレジュメ

小倉紀蔵は、その多岐にわたる活動を通して、日本と韓国、そして東アジアの相互理解を深める上で、重要な役割を果たしています。

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