小倉馨

小倉馨の生涯と貢献

小倉馨（おぐら かおる）は、1920年にアメリカのシアトルで生まれた日系アメリカ人2世です。広島平和文化センター事務局長や広島平和記念資料館館長を務めるなど、広島市における国際平和文化の振興に多大な貢献をしました。彼の生涯を振り返ることで、広島の平和への思いを深く理解することができます。

幼少期と学び

小倉は広島県佐伯郡廿日市町で育ちましたが、両親のアメリカ滞在中に誕生しました。帰国後は旧制崇徳中学校に通い、その後旧制山口高等商業学校を卒業しました。1942年、彼はこの学校を卒業すると同時に兵役に就き、セレベス島で終戦を迎えました。彼の若き日々は、戦争という時代背景に彩られていました。

終戦後の国際文化推進

終戦後、小倉は1948年から広島アメリカ文化センターに勤務し始めました。その後1953年からは東京国際文化会館にも関与し、国際的な文化交流の架け橋となる役割を果たしました。1960年には広島市役所に入庁し、渉外課長や市長室次長として地元の国際化に尽力しました。

特に1970年から1971年にかけては、広島平和記念資料館館長として、広島の歴史と平和のメッセージを国内外に広める活動に力を入れました。彼のこの時期の取り組みにより、広島市は「国際平和文化都市」としての地位を確立することに貢献しました。

平和文化の象徴として

小倉は、広島市の国際平和文化推進において、極めて重要な役割を担いました。特に1978年には、ニューヨークの国際連合本部ビルでの原爆写真展を支援し、広島の悲劇を世界に発信しました。また、1977年からは広島平和文化センター事務局長を兼任し、市長が原爆慰霊祭で読む平和宣言の起草に関与しました。

1979年、彼はこの平和宣言の検討会議を終えた直後に、クモ膜下出血で倒れ、58歳で急逝しました。彼の死は、広島市民にとって深い悲しみをもたらしましたが、彼が残した業績は今なお人々に引き継がれています。

著書について

小倉は、『ヒロシマになぜ 海外よりのまなざし』（1979年、渓水社）という著書を出版しています。この本では、広島の歴史や平和への思いを海外に広めるための努力が紹介されています。小倉の著作は、平和の大切さを次世代に伝える貴重な資料となっています。

影響と関連項目

彼の活動は、多くの人々に影響を与え、特に佐々木禎子のエピソードを通じて、彼の業績は国境を越えて広まっています。小倉馨の生涯は、広島の平和を求める思いを具現化した象徴的な存在として、今も語り継がれています。

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