小出浩平

小出浩平

小出浩平（1897年8月14日 - 1986年3月17日）は、日本の音楽教育学者であり、特に初等音楽教育の分野で多大な貢献をしました。

人物と経歴

新潟県南魚沼郡塩沢町出身の小出浩平は、1921年に東京音楽学校甲種師範科を卒業しました。卒業後、南西海小学校、香川師範学校、東京赤坂小学校、同城東小学校などの教員を歴任し、教育現場での経験を積みました。

1937年からは学習院教授として教鞭を執り、1964年には東邦音楽大学教授に就任。後に同大学の名誉教授となりました。また、日本教育音楽協会の会長も務めるなど、教育界における重鎮として活躍しました。

学習院時代には、当時の明仁皇太子（現上皇）や徳仁天皇に音楽を指導しました。初等音楽教育の専門家として、次世代の育成に貢献したことは、彼の業績の中でも特筆される点です。

1947年には、長年の教育への貢献が認められ、勲六等を授与されました。

著書

小出浩平は、数多くの著書を通じて、音楽教育の普及と発展に尽力しました。以下に代表的な著書を挙げます。

『唱歌新教授法』(文化中心新教授学大系 教育研究会, 1927)
『尋一・尋二の唱歌』(教へ方全書) 厚生閣, 1935
『事変下に立つ児童劇』三友社, 1938
『読譜の指導』(新音楽教育叢書) 音楽之友社, 1949
『おんがくあそび』(学級図書館) 青葉書房, 1957
『たのしい歌の本』(目でみる学習文庫) あかね書房, 1963

これらの著書は、音楽教育の現場で活用され、多くの教師や子供たちに影響を与えました。

また、共編著として、以下のような書籍にも携わっています。

『幼稚園の唱歌遊戯』井上武士共編. 共益商社書店, 1939
『一～六年生の唱歌』小松耕輔,井上武士,堀内敬三,下総皖一,城多又兵衛共編. 音樂之友社, 1948.6
『世界民謡名曲集』編. 音楽之友社, 1951
『唱歌集 音楽単元学習資料』井上武士共編. 音楽之友社, 1951
『學生のための合唱曲集 』編. 音樂之友社, 1952.7
『新中学音楽 中学校音楽科用』井上武士,城多又兵衞,橋本清司,下総皖一, 堀内敬三共編. 音楽之友社, 1953
* 『新しい音楽通論』三室戸文光共著. 音楽之友社, 1969

これらの業績を通じて、小出浩平は日本の音楽教育の発展に大きく貢献しました。

関連事項

小出浩平は、「こいのぼり (近藤宮子)」、「チューリップ (唱歌)」といった童謡にも関わりがありました。特に「チューリップ」については、自身が作詞・作曲者であると主張していましたが、その経緯については様々な議論があります。

彼の教育者としての情熱と、音楽を通じた社会貢献は、後世に語り継がれるべき遺産と言えるでしょう。

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