小合溜井

小合溜井（こあいためい）

小合溜井は、東京都葛飾区と埼玉県三郷市の境界に位置する池で、古くは「小合溜」とも呼ばれていました。この池は、河川法上では準用河川に指定されています。

歴史と概要

小合溜井は、江戸時代に作られた溜井の一つです。溜井とは、河川を堰き止めて水を貯めることで、農業用水や生活用水を確保するために作られた人工の池のことです。小合溜井は、1729年（享保14年）に徳川吉宗の命を受け、紀州藩出身の井沢弥惣兵衛によって建設されました。当時、古利根川（現在の中川）の一部を利用し、水害を防ぎ、周辺地域への灌漑用水を調整する遊水池としての役割を担いました。

小合溜井の完成により、東葛西領の50以上の村々がその恩恵を受け、豊かな水源として「水元」と呼ばれるようになりました。

現在の小合溜井

現在、小合溜井の周辺は、葛飾区側に水元公園、三郷市側にみさと公園が整備され、多くの人々に親しまれています。また、東京都と埼玉県の県境を成していますが、県境の境界線については、葛飾区と三郷市の間で未確定な部分が存在します。

1991年（平成3年）3月15日には、小合溜井は準用河川に指定されました。また、水害対策として、小合溜井に沿って同時期に築かれた桜土手（水元さくら堤）は、ソメイヨシノの名所として知られています。春には多くの花見客で賑わいを見せます。

関連情報

利根川東遷事業: 江戸時代に行われた利根川の流れを変える大規模な治水事業。小合溜井の成立にも影響を与えたと考えられています。
日本の準用河川一覧: 日本国内の準用河川に関する情報。
琵琶溜井・松伏溜井: 古利根川に作られた他の溜井。小合溜井と同様に、農業用水の確保に重要な役割を果たしました。
垳川: かつて綾瀬川の流路であった川。同時期に「垳小溜井」として利用されていた記録があります。
新田: 小合溜井周辺に開かれた新田に関する情報。
水元村 (東京府): かつて存在した自治体で、現在の水元公園周辺地域にあたります。
水元公園: 小合溜井の葛飾区側に位置する都立公園。

外部リンク

水元小合溜 - NPO法人水元ネイチャープロジェクト

小合溜井は、その歴史的な背景と、水辺の自然が残る場所として、地域の人々に親しまれています。

もう一度検索