水元村 (東京府)

水元村（みずもとむら）

水元村は、1889年（明治22年）に下小合村、上小合村、小合新田、猿ヶ又村、飯塚村が合併して誕生しました。この村は、東京府南葛飾郡に属し、現在の東京都葛飾区の北東部に位置していました。村の区域は、現在の西水元、東水元、水元、水元公園、南水元、そして東金町二丁目の一部に相当します。

村の概要

水元村は、都心から離れた場所に位置していたため、交通の便が悪く、村の発展が遅れていると指摘されていました。村の交通手段としては、隣接する金町に通じる京成電車が利用されていましたが、村内を通過する交通機関は存在しませんでした。村の中央部は田畑が広がり、家屋はそれを取り囲むように馬蹄形に点在しており、当時の水元村はまだ農村の域を出ていない状況でした。このような状況から、交通機関の整備が急務であると認識されていました。

村の施設

教育機関

水元尋常高等小学校
所在地：上小合24番地
創立：明治40年10月
校舎：木造瓦平屋建、総坪数519.80坪
教室数：13
学級数：11（尋常科10、高等科1）
児童数：614人（尋常科557人、高等科57人）
教員数：12人（男性8人、女性4人）
水元実業補習学校
学級数：2
教員数：7
生徒数：60
実業科目：農業
水元村青年訓練所
主事：1人
指導員：11人
生徒数：58人

その他

駐在所：3箇所
消防組：5部

土地と人口

面積：1,786,565坪
人口：
昭和5年国勢調査：4,030人
大正14年国勢調査：3,647人
大正9年国勢調査：2,823人
戸数：655戸（農業416戸、商業55戸、工業128戸、その他58戸）
道路延長：
府道：4,555間
村道：23,469間
耕地面積：
田：241.1町
* 畑：143.0町

歴史

水元村は、1889年（明治22年）5月1日に町村制が施行された際に、下小合村、上小合村、小合新田、猿ヶ又村、飯塚村が合併して成立しました。

しかし、1932年（昭和7年）10月1日、南葛飾郡全体が東京市に編入されたことに伴い、水元村の区域は葛飾区となりました。これにより、水元村としての歴史は幕を閉じました。

現在の状況

水元村は、その名前を地名として今も残しています。現在の葛飾区には、西水元、東水元、水元、水元公園、南水元、そして東金町二丁目といった地名が存在し、かつての水元村の領域を偲ばせます。また、小合溜井は、地名の由来となった場所です。

水元村は、その短い歴史の中で、農村としての風景を保ちながら、近代化の波に翻弄されました。しかし、その名前は、現代の葛飾区の地名として、今も地域の人々に親しまれています。

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