小国城 (出羽国置賜郡)

小国城の歴史と遺構

小国城（おぐにじょう）は、山形県の西置賜郡小国町に位置する平城で、戦国時代から江戸時代にかけて栄えました。1692年以降、この城は「御役屋」と呼ばれるようになり、その名称は地域の行政拠点としての役割を示しています。

立地と概要

城は、明沢川の左岸に面した段丘に位置し、城を守るための自然の地形を利用しています。享保7年（1722年）の城絵図によると、当時の城は北側に明沢川が流れる天然の堀を持ち、東西・南側にはコの字形の堀と土塁が巡っていたことが分かります。

建築の歴史

小国城は天文年間（1532年-1555年）に、伊達氏の家臣である上郡山盛為によって築かれました。城はその後、伊達氏によって治められることとなり、栗生田氏や上郡山氏の居城として使用されました。また、上杉謙信時代には上杉氏の家臣が城に関連する業務を行う記録も残っています。1598年には上杉氏領となり、蒲生氏郷の統治下では佐久間安政が城に入りました。ところが、戦国の動乱の中でこの城は様々な変遷を経ることとなります。

城代制の歴史

慶長3年の上杉領の確立時、初代城代に奈良沢主殿が任命されましたが、すぐに転任となり、松本助義が城代となりました。しかし松本城代も短期間で異動したため、「十二騎馬上」と呼ばれる家臣団が共同で城を守ることになります。城代制はその後も続き、元禄5年には役屋将と改称され、上杉氏家臣が引き続き統治を行いました。

遺構について

2001年には、小国小学校が移転し、その跡地は教育施設として利用されています。小国城の遺構としては、南堀切や西の丸跡の土塁が残存し、航空標識灯が点滅する鉄塔が位置していることで、遠くからも城の位置を確認できます。また、飯綱神社と呼ばれる神社も趣深い歴史を持つ場所として存在しています。周辺には笹生代官屋敷の跡があり、地域の神社の鳥居なども残存しています。

周辺の関連施設

小国城の近くには、豊富な歴史を残す施設も点在しており、享和2年から3年にかけて作成された『小国享和絵図』や、イザベラ・バードが「感じのいい勤勉な村」と称賛した市野々宿の集落の跡もあります。この集落は今や「白い森おぐに湖」という名称には変わっています。

交通アクセス

小国城は、JR米坂線の小国駅から徒歩約10分の距離にあります。このアクセスの良さから、歴史を学ぶための訪問地としても人気があります。小国城は、その長い歴史と独特の文化を持つ地域のシンボル的存在として、多くの人々に親しまれています。

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